日本人のeGFR計算とは
適用範囲:日本。この計算ツールは、日本腎臓学会(JSN)が定めた血清クレアチニン(Cr)を用いた推算式により、糸球体ろ過量(eGFR)を算出します。18歳以上の日本人成人向けに調整された式です。血清クレアチニン値は酵素法で測定した mg/dL の値を入力してください。日本人以外を対象とする場合は、国際的な標準式(CKD-EPI 2021、MDRDなど)が用いられ、結果が異なることがあります。
使い方
患者さんの年齢(歳)を入力し、性別を選択して、血清クレアチニン値(mg/dL)を入力します。検査結果が μmol/L 単位で報告されている場合は、先に換算してください:\(\text{mg/dL} = \text{μmol/L} \div 88.4\)。推算GFR(mL/min/1.73m²)と、それに対応する JSN/KDIGO の GFR区分(G1〜G5)が表示されます。
計算式の解説
男性の場合の推算式は $$\text{eGFR} = 194 \times \text{Scr}^{-1.094} \times \text{Age}^{-0.287}$$ です。女性の場合は、男性の結果に 0.739 を掛けます:$$\text{eGFR} = 194 \times \text{Scr}^{-1.094} \times \text{Age}^{-0.287} \times 0.739$$ クレアチニン値が高いほど、また年齢が高いほど推算値は小さくなり、これは腎臓のクリアランス(排泄能力)の低下を反映しています。結果は標準体表面積 1.73 m² に補正された値です。
計算例
男性・60歳・血清クレアチニン 1.2 mg/dL の場合:\(\text{Scr}^{-1.094} = 0.8192\)、\(\text{Age}^{-0.287} = 0.3088\) となり、$$\text{eGFR} = 194 \times 0.8192 \times 0.3088 \approx 49.1 \text{ mL/min/1.73m}^2$$ です。これは区分 G3a(軽度〜中等度低下)に該当します。同じ条件で女性の場合は \(49.1 \times 0.739 \approx 36.3\) となり、区分 G3b になります。
よくある質問(FAQ)
これだけでCKD(慢性腎臓病)の重症度分類はできますか?いいえ。本ツールはGFR区分のみを示します。完全なCKDの分類には、原疾患(病気の原因)と尿蛋白・尿アルブミン値も必要です。
子どもにも使えますか?いいえ。この式は成人(18歳以上)を対象に検証されています。小児のeGFRには、Schwartz式など別の計算式が用いられます。
eGFRは実測GFRと同じものですか?いいえ。eGFRは集団データに基づく推算値であり、直接測定した値ではありません。他の検査所見と合わせて、医師による解釈が必要です。