このガス配管計算ツールでできること
このツールは、米国で住宅所有者・配管業者・空調(HVAC)設備の施工者が、天然ガス配管に必要な配管口径と流量を見積もるためのものです。なお、口径の単位はインチ、配管長はフィート、圧力は水柱インチ(inches water column)といった米国の単位・基準で計算される点にご注意ください(日本の都市ガス・LPガス配管とは規格や算定方法が異なります)。配管サイズの選定は非常に重要で、細すぎる配管は機器へのガス供給が不足し、逆に太すぎると材料費やコストの無駄になります。総負荷・配管の長さ・供給圧力を入力すると、本ツールが標準的な配管容量表と照合し、インチ単位の推奨呼び径と概算流量を返します。
3つの入力項目
- 総BTU — その配管がガスを供給するすべての機器(暖房機、給湯器、コンロ、乾燥機など)の入力定格を合計した値です。
- 配管長(フィート) — メーターまたは調整器(レギュレーター)から機器までの、ガス配管の実効長さです。
- 圧力(水柱インチ) — 供給圧力です。米国の一般的な住宅向け低圧システムではおよそ0.5インチ水柱(w.c.)で運用されます。圧力が高い場合、本ツールは別の容量表を選択します。
計算の仕組み
本ツールはまず、入力された圧力に応じて容量表を選びます。区分は、水柱インチで 0.75未満・1.5未満・2.5未満・3.5未満・4.5未満・4.5以上 の6つです。選ばれた表の中で、標準的な配管サイズ(0.5"・0.75"・1"・1.25"・1.5"・2")を順にチェックし、定格容量が総BTU以上となる最初のサイズを返します。どのサイズでも容量が足りない場合は、2"の配管を返します。
概算流量は、次のシンプルな式で計算します。
$$\text{流量(CFH)} = \frac{\text{総BTU}}{1{,}000}$$天然ガスは1立方フィートあたり約1,000 BTUの熱量を持つため、この式で熱負荷を1時間あたりのおおよそのガス消費量(立方フィート)に換算できます。
計算例
たとえば、総負荷が150,000 BTU、配管長が40フィート、供給圧力が0.5インチ水柱(w.c.)の場合を考えます。圧力は0.75未満なので、最初の容量行が選ばれます。そこを順に見ていくと、0.5"・0.75"・1"のサイズは容量が不足し、1.25"の配管(定格1,390)でも150,000はカバーできません……そのため本ツールは最大サイズの2インチを返します。概算流量は \(150{,}000 \div 1{,}000 = 150\ \text{CFH}\) です。
よくある質問
計算結果に配管長は反映されますか? 配管長は入力項目として取得しますが、サイズの推奨は総BTUと圧力を容量表に照合して決まります。配管が非常に長い場合は容量が低下するため、必ず完全な算定チャートで確認してください。
圧力がわからない場合はどうすればいいですか? 米国の標準的な住宅用天然ガスは、調整器を通った後でおよそ0.5インチ水柱で供給され、これが最初の表に対応します。検証済みの高圧システムでない限り、より高い値は使用しないでください。
このツールで法規・基準への適合は代替できますか? いいえ。本ツールはあくまで計画段階の概算用です。最終的なサイズ選定は、現地の法規および全米燃料ガス規格(NFPA 54)に従い、有資格の専門家による確認が必要です。日本で施工する場合は、国内の関連法規や基準が適用される点にもご注意ください。