この計算機でできること
このツールは、理想気体の状態方程式 \(PV = nRT\) を、4つの変数のうち任意の1つについて解きます。求めたい量 — 圧力(P)、体積(V)、物質量(mol 数、n)、温度(T)— を選び、残り3つの既知の値を入力するだけ。式を自動的に変形して、不足している4つ目の値を瞬時に返します。全体を通して化学で標準的に使う単位系を採用しているため、入力単位さえ合っていれば、信頼できる答えが得られます。
入力項目と単位
この計算機は気体定数 \(R = 0.08206\ \text{L}\cdot\text{atm/(mol}\cdot\text{K)}\) を使用します。これにより、各項目で必要な単位が次のように決まります。
- 計算する量:求めたい未知数 — 圧力・体積・物質量・温度 — を選びます。
- 圧力(P) — 気圧(atm)。
- 体積(V) — リットル(L)。
- 物質量(n) — モル(mol)。
- 温度(T) — ケルビン(K)。摂氏(℃)ではありません。
未知数として選んだ項目は空欄のままにし(入力しても無視されます)、残りの3つを入力してください。
計算式とその変形
\(PV = nRT\) を出発点に、求める値に応じて次の4通りに式を変形します。
- 圧力:$$\text{P} = \frac{\text{n} \cdot R \cdot \text{T}}{\text{V}}$$
- 体積:$$\text{V} = \frac{\text{n} \cdot R \cdot \text{T}}{\text{P}}$$
- 物質量:$$\text{n} = \frac{\text{P} \cdot \text{V}}{R \cdot \text{T}}$$
- 温度:$$\text{T} = \frac{\text{P} \cdot \text{V}}{\text{n} \cdot R}$$
計算例
たとえば、300 K で 10 L を占める気体が 2 mol あり、その圧力を求めたいとします。計算機は次のように計算します。
$$\text{P} = \frac{\text{n} \times R \times \text{T}}{\text{V}} = \frac{2 \times 0.08206 \times 300}{10} = \frac{49.236}{10} = \mathbf{4.92\ \text{atm}}$$
逆に、圧力が 4.92 atm とわかっていて温度を求めたい場合は、\(\text{T} = \frac{4.92 \times 10}{2 \times 0.08206} \approx 300\ \text{K}\) となり、両者の関係が矛盾なく成り立っていることが確認できます。
よくある質問
なぜ温度はケルビンでなければならないのですか? 状態方程式は絶対温度を前提に成り立っています。摂氏のまま使うと誤った結果(場合によっては負の値)になってしまいます。入力前に \(K = \text{℃} + 273.15\) で換算してください。
Pa や mmHg など、別の圧力単位は使えますか? そのままでは使えません。このバージョンは \(R = 0.08206\ \text{L}\cdot\text{atm/(mol}\cdot\text{K)}\) を用いるため、圧力は atm、体積はリットルで入力する必要があります。事前に換算してください(\(1\ \text{atm} = 760\ \text{mmHg} = 101{,}325\ \text{Pa}\))。
理想気体の状態方程式は常に正確ですか? 中程度の温度・低い圧力では、ほとんどの気体に対してよく成り立ちます。一方、非常に高い圧力や非常に低い温度では、分子間力や分子自身の体積が無視できなくなり、実在気体は理想気体からずれていきます。