最大運用深度(MOD)とは?
最大運用深度(MOD:Maximum Operating Depth)とは、ある呼吸ガスを使ってダイビングできる最も深い深度のことで、これを超えると酸素分圧(ppO₂)が安全限界を上回ってしまいます。エンリッチドエア・ナイトロックス——通常の空気に含まれる21%よりも酸素濃度を高めたガス——を使うダイビングでは、酸素が多い分、窒素酔いや減圧義務が軽減されるというメリットがあります。その一方で、深い場所では中枢神経系(CNS)の酸素中毒リスクが高まります。MODは、安全に潜れる深度の上限を正確に教えてくれる指標です。
この計算ツールの使い方
使用する混合ガスの酸素濃度をパーセントで入力します(例:EAN32なら「32」)。あわせて、設定する最大ppO₂限界値をバール(bar)で入力してください。多くのレクリエーション系団体では作業限界を1.4 barとし、1.6 barは緊急時や減圧停止用の予備として扱うのが一般的です。計算結果として、MODをメートルとフィートの両方で表示します。
計算式の解説
この計算の根拠は、海水中では水深10mごとに圧力がおよそ1 bar(1気圧)ずつ増えるという関係にあります。水面での絶対圧は1 ataなので、酸素分圧は \(f\text{O}_2 \times (\text{深度}/10 + 1)\) で表されます。これをppO₂限界値と等しいとおいて深度について解くと、次の式が得られます。
$$\text{MOD}_{m} = \left(\frac{\text{ppO}_2}{\text{O}_2\%/100} - 1\right) \times 10$$
フィートで計算する場合は、10を慣用値である33(1気圧あたりのフィート数)に置き換えます。
$$\text{MOD}_{ft} = \left(\frac{\text{ppO}_2}{\text{O}_2\%/100} - 1\right) \times 33$$
計算例
EAN32(\(f\text{O}_2 = 0.32\))でppO₂限界値を1.4 barとした場合:$$\text{MOD} = \left(\frac{1.4}{0.32} - 1\right) \times 10 = (4.375 - 1) \times 10 = 33.75 \text{メートル}$$つまり、1.4 barの限界値を用いると、EAN32のダイバーはおよそ33.8mを超えてはならないということになります。
よくある質問(FAQ)
ppO₂の限界値はいくつに設定すればよいですか? 1.4 barは、潜降中など活動的な部分における標準的な作業限界値です。1.6 barは、休息中や減圧停止時に広く認められている最大値です。必ずご自身の受けたトレーニングや所属団体のガイドラインに従ってください。
純酸素やトライミックスにも使えますか? この計算式は酸素濃度のみを使うため、100%の純酸素やトライミックス中の酸素分も含め、あらゆる酸素濃度に対応できます。
表示される深度は正確な値ですか? 10m/barや33ft/atmという値は、ダイビング計画で広く使われている実用的な近似値です。安全を重視するダイバーは、MODを最も近いメートルまたはフィートの単位で切り捨てて扱います。