MLVSSとは?
MLVSS(混合液揮発性浮遊物質:Mixed Liquor Volatile Suspended Solids)とは、活性汚泥法による排水処理施設の曝気槽内に存在する浮遊物質のうち、有機性で生物学的に活性な部分を指します。MLSS(混合液浮遊物質)が浮遊物質全体を測定するのに対し、MLVSSは550℃で燃焼して消失する画分だけを取り出したもので、生菌・死菌を含む微生物バイオマス量の実用的な指標となります。処理場の運転管理では、MLVSSをもとにF/M比(食物・微生物比)、汚泥滞留時間(汚泥日齢)、そしてプロセス全体の健全性を推定します。
この計算ツールの使い方
測定したMLSSをmg/Lで入力し、揮発性比率(揮発性固形物の全固形物に対する小数比。生活排水では一般に0.65〜0.85)を入力してください。本ツールは両者を掛け合わせてMLVSSをmg/Lで算出し、あわせて固定性(無機・不揮発性)固形物をMLSS−MLVSSとして表示します。
計算式の解説
関係式は非常にシンプルで、$$\text{MLVSS} = \text{MLSS} \times f_v$$(\(f_v\)は揮発性比率)で表されます。これを変形すると、揮発性比率そのものは \(f_v = \text{MLVSS} / \text{MLSS}\) となります。固定性固形物は残りの部分で、\(\text{固定性固形物} = \text{MLSS} - \text{MLVSS}\) です。揮発性比率は0〜1の範囲の比率であるため、MLVSSは必ずMLSS以下になります。
計算例
ある処理場でMLSS = 3,000 mg/L、実験室での揮発性比率が0.75と測定されたとします。このとき $$\text{MLVSS} = 3{,}000 \times 0.75 = 2{,}250 \text{ mg/L}$$、揮発性比率は75%、固定性固形物は \(3{,}000 - 2{,}250 = 750\) mg/L となります。
よくある質問(FAQ)
揮発性比率の一般的な値はどのくらいですか? 都市下水の活性汚泥では通常0.70〜0.85の範囲に収まります。値が大きいほど、不活性な砂分や鉱物質に対して微生物バイオマスの割合が高いことを示します。
なぜMLSSではなくMLVSSを使うのですか? MLVSSのほうが活性バイオマスをより正確に反映するため、全体のMLSSよりも精度の高いF/M比や生物反応速度(バイオキネティクス)の計算が可能になります。
揮発性比率が1を超えることはありますか? ありません。MLVSSはMLSSの一部であるため、比率は必ず0〜1の範囲に収まります。