このパーセント電離率計算ツールでできること
このツールは、弱酸や弱塩基が溶液中で平衡に達したとき、実際にどれだけ電離(解離)しているかを求めるものです。弱電解質はイオンへ部分的にしか分かれないため、解離した割合をパーセントで表すと、その弱酸・弱塩基が与えられた条件下でどのくらい「強く」振る舞うかがひと目で分かります。必要な数値は2つだけ。溶かし始めたときの濃度(初濃度)と、平衡時に残っている未電離分子の濃度です。
入力する値
- 初濃度(mol/L):電離が起こる前の、酸または塩基の出発濃度の総量です。
- 平衡濃度(mol/L):反応が平衡に落ち着いた後に残っている、未電離(分子のまま)の化学種の濃度です。
この2つの差が、電離した量にあたります。単位がきれいに約分されるよう、どちらもモル毎リットル(mol/L)で入力してください。
計算式
このツールは、次のシンプルな式をそのまま適用します。
$$\text{パーセント電離率} = \frac{\text{初濃度} - \text{平衡濃度}}{\text{初濃度}} \times 100\%$$
あわせて、電離した濃度 = 初濃度 − 平衡濃度(解離した化学種の量、単位は mol/L)も表示します。平衡濃度を直接入力するため、電離定数(Ka や Kb)は必要ありません。
計算例
酢酸を初濃度 0.100 mol/L になるよう溶かしたとします。平衡時、未電離の酢酸の濃度が 0.0987 mol/L と測定されたとしましょう。
- 電離した濃度 = \(0.100 - 0.0987 = 0.0013\) mol/L
- パーセント電離率 = \(\left(0.0013 \div 0.100\right) \times 100\% =\) 1.3%
つまり、酢酸分子のうち電離しているのはわずか約 1.3%。これが弱酸である何よりの証拠です。
よくある質問(FAQ)
パーセント電離率と解離度は同じものですか?はい、同じものを別の形で表したものです。解離度(α と書くことが多い)は、パーセント電離率を 100 で割っただけ。つまりパーセントではなく小数で表した値です。
強酸にも使えますか?使えますが、強酸はほぼ完全に電離するため、平衡濃度はゼロに近づき、結果は 100% に迫ります。このツールが本領を発揮するのは、電離が部分的にとどまる弱酸・弱塩基の場合です。
結果が 100% を超えたり 0% を下回ったりするのはなぜですか?それは、平衡濃度が初濃度より大きいか、あるいはマイナスになっている場合です。入力値をもう一度確認してください。平衡濃度は必ず初濃度より小さく、どちらの値も正の数である必要があります。