水力直径とは?
水力直径(\(D_h\))とは、円形でない流路の流れを解析するために用いられる「等価直径」のことです。矩形ダクト、開水路、環状流路、満流でない配管など、断面が円形でない場合に活躍します。複雑な断面形状を1つの代表長さに置き換えることで、円管向けに整備されたレイノルズ数やダルシーの摩擦係数といった相関式を、そのまま任意の断面に適用できるようになります。
この計算ツールの使い方
流体が実際に流れている断面積Aを平方メートル(m²)で、流体と接している断面境界の長さ=潤辺Pをメートル(m)で入力してください。計算結果として水力直径がメートル単位で表示されます。満流の円管であれば、結果は実際の管内径と一致します。
計算式の解説
水力直径は$$D_h = \frac{4 \cdot \text{Area } A}{\text{Wetted Perimeter } P}$$で定義されます。係数「4」が掛けられているのは、内径Dの円管が満流のとき、\(A = \pi D^2/4\)、\(P = \pi D\) となり、計算すると \(D_h = 4(\pi D^2/4)/(\pi D) = D\) となって、結果が実際の直径Dに一致するよう設計されているためです。なお、開水路では水面(自由表面)は壁面摩擦が生じないため、潤辺に含めない点に注意してください。
計算例
幅2m の矩形水路に、水深1m で水が流れている場合を考えます。流れの断面積は \(A = 2 \times 1 = 2\) m²。潤辺は底面と両側面の合計なので、\(P = 2 + 1 + 1 = 4\) m となります。したがって $$D_h = \frac{4 \times 2}{4} = 2 \text{ m}$$ です。
よくある質問(FAQ)
水力直径と動水半径は同じものですか? いいえ、違います。動水半径は \(R = A/P\) で定義されるため、\(D_h = 4R\) の関係になります。両者は4倍だけ異なります。
どの単位を使えばよいですか? 単位が揃っていればどれでも構いません。A を m²、P を m で入力すれば \(D_h\) は m で得られます。ft² と ft を使えば結果は ft(フィート)になります。
自由表面(水面)は潤辺に含めますか? いいえ、含めません。開水路の流れでは、底面や水中の壁面など固体境界のみが対象で、大気に触れている上部の水面は含めません。