この計算ツールでわかること
対象地域:日本。このツールは、今後10年間に胃がんを発症する確率を推計します。国立がん研究センターが実施したJPHC研究(多目的コホート研究)をもとにしたポイント式のリスクスコアを採用しており、対象はおおむね40〜69歳の日本人中高年層です。スコアと確率は日本人の疫学データに合わせて算出されているため、日本以外の方が利用する場合は、あくまで参考値としてご覧ください。
使い方
性別と年齢区分を選び、胃がんの家族歴、現在の喫煙の有無、塩分の高い食品の摂取、ヘリコバクター・ピロリ菌(ピロリ菌)の感染状況、萎縮性胃炎の有無について「はい/いいえ」で回答します。各回答にポイントが加算され、その合計が1つのリスクスコアにまとめられ、公表されている10年間の発症確率に対応づけられます。なかでもピロリ菌感染と萎縮性胃炎の影響が圧倒的に大きく、それぞれ5ポイントが加算されます。
計算式の解説
ポイントは次のように割り当てられます。男性 +3(女性 +0)、年齢区分は40〜44歳の +0 から65〜70歳の +5 まで、家族歴あり +1、現在喫煙中 +1、塩分の高い食品の摂取あり +1、ピロリ菌陽性 +5、萎縮性胃炎あり +5。合計スコアは0〜24の範囲に収まります。スコア10以下はすべて「0.4%以下」という1つの区分にまとめられます。スコア11からは段階的に確率が上がり、11→0.6%、14→1.2%、17→2.5%、20→5.2%、24→13.4% となります。なお、飲酒はこのモデルの項目には含まれていません。
$$\begin{gathered} \text{Score} = S + \text{Age} + \text{Family Hx} + \text{Smoking} + \text{High Salt} + 5\,\text{H. pylori} + 5\,\text{Atrophic Gastritis} \\[1.5em] \text{where}\quad \left\{ \begin{aligned} S &= 3 \text{ if } \text{Sex} = \text{male},\ \text{else } 0 \\ \text{Risk} &\to \text{10-year probability from Score lookup table} \end{aligned} \right. \end{gathered}$$
計算例
60〜64歳(+4)の男性(性別 +3)で、胃がんの家族歴があり(+1)、現在喫煙中(+1)、塩分の高い食品を摂取し(+1)、ピロリ菌陽性(+5)だが、萎縮性胃炎はない(+0)場合:
$$\text{Score} = 3 + 4 + 1 + 1 + 1 + 5 + 0 = 15$$
スコア15に対応する10年間の発症確率は1.5%となります。
よくある質問
これは診断ですか? いいえ。集団データに基づく統計的な推計であり、診断や個別の医療アドバイスではありません。検査については医師にご相談ください。
なぜピロリ菌の影響がこれほど大きいのですか? 慢性的なピロリ菌感染と、それによって生じうる萎縮性胃炎は、胃がんの最大の危険因子です。そのため、それぞれ5ポイントが加算されます。
なぜ低いスコアではすべて同じ数値になるのですか? 公表されている表では、スコア10以下をすべて「0.4%以下」という1つの区分にまとめているため、11未満の値は細かく補間されません。