コリオリ力とは?
コリオリ力は、回転する基準系の中を運動する物体に働く「見かけの力(慣性力)」です。最も身近な例は、自転している地球です。この力によって、運動する空気・水・物体は、北半球では右へ、南半球では左へとそれてしまいます。コリオリ力はあくまで見かけの力であり、物理的に「押す」力が実際に存在するわけではなく、座標系が回転していることから生じます。しかし、その影響はきわめて現実的です。気象システムや海流の流れ、長距離砲弾の弾道までも左右しているのです。
計算式
本ツールでは、水平方向のコリオリ力の大きさを次の式で求めます。
$$F_c = 2 \cdot m \cdot v \cdot \Omega \cdot \sin\!\left(\varphi\right)$$
ここで、m は物体の質量(kg)、v は速さ(m/s)、Ω は地球の角速度(\(7.292\times10^{-5}\) rad/s。恒星日あたり1回転)、φ は緯度(度)です。\(\sin(\varphi)\) という因子があるため、赤道上(\(\varphi = 0\))では効果がゼロになり、極(\(\varphi = \pm 90^\circ\))で最大になります。
使い方
運動している物体の質量、速度、そしてその物体が動いている場所の緯度を入力してください。本ツールは、コリオリ力をニュートン(N)単位で表示するとともに、質量に依存しないコリオリ加速度(\(a_c = 2v\Omega\sin\varphi\))も算出します。
計算例
緯度45°の地点で、1000 kg の物体が 100 m/s で運動している場合を考えます。\(\sin(45^\circ) \approx 0.70711\) なので、$$F_c = 2 \times 1000 \times 100 \times 7.292\times10^{-5} \times 0.70711 \approx 10.31\ \text{N}$$ となります。対応する加速度は約 \(0.01031\ \text{m/s}^2\)。1秒あたりで見ればわずかですが、長い距離・長い時間にわたると無視できないほど積み重なっていきます。
よくある質問
なぜ洗面台の排水の渦にはコリオリ力が効かないの? 家庭サイズのスケールでは、コリオリ加速度は他の要因(洗面ボウルの形状や、もともと残っていた水の動きなど)に比べてあまりに小さく、渦の回転方向を決定づけるほどの影響はありません。
運動の向きによって変わりますか? 本ツールが示すのは、水平方向の最大の大きさです。実際にそれる方向は常に速度に対して垂直であり、正確な成分は進行方向(方位)によって変わります。ここでは標準的な水平方向の大きさ \(2mv\Omega\sin\varphi\) を使用しています。
Ω の値には何を使っていますか? 地球の恒星角速度 \(7.292\times10^{-5}\) rad/s を使用しています。