ポンプの軸動力(制動動力)とは?
軸動力(ブレーキ動力、英語ではbrake power/shaft power)とは、所定の揚程に逆らって液体を送り出すためにポンプ軸へ供給しなければならない機械的な動力のことです。実際に液体へ伝わる有効な水動力(液体動力)よりも常に大きくなります。なぜなら、効率100%のポンプは存在せず、摩擦・再循環・その他の内部損失によってエネルギーの一部が失われるからです。軸動力を把握しておけば、駆動モーターの容量を適切に選定できます。
この計算ツールの使い方
液体の密度(水なら1000 kg/m³)、体積流量Q(m³/s)、全揚程H(m)、そしてポンプ効率をパーセントで入力してください。重力加速度は初期値として9.81 m/s²が設定されています。本ツールは軸動力をキロワット(kW)と馬力(hp)で算出するとともに、その元となる水動力と適用した効率も表示します。
計算式の解説
水動力は\(P_{\text{hyd}} = \rho g Q H\)(ワット)で表されます。これを小数で表した効率\(\eta\)で割ると軸動力が求められます: $$P_{\text{brake}} = \frac{\rho g Q H}{\eta}$$ ここで\(\rho\)は密度(kg/m³)、\(g\)は重力加速度(m/s²)、\(Q\)は流量(m³/s)、\(H\)は揚程(m)です。ワットを1000で割るとキロワットに、745.7で割ると馬力(hp)に換算できます。
計算例
水(\(\rho = 1000\))、\(Q = 0.05\) m³/s、\(H = 20\) m、\(\eta = 75\%\) の場合:水動力 $$= 1000 \times 9.81 \times 0.05 \times 20 = 9810\ \text{W} = 9.81\ \text{kW}$$ 軸動力 $$= 9810 \div 0.75 = 13{,}080\ \text{W} \approx 13.08\ \text{kW}$$ すなわち約17.5 hpとなります。したがって、13 kWを上回る定格のモーターを選定することになります。
よくある質問(FAQ)
なぜ軸動力は水動力より大きくなるのですか? 効率が1未満だからです。内部損失を補うため、モーターは余分な動力を供給しなければなりません。
どの効率値を使えばよいですか? 一般的な遠心ポンプの効率は60〜85%です。可能であれば、実際の運転点におけるメーカーの性能曲線の値を使用してください。
どんな液体にも使えますか? はい。正しい密度を入力するだけで使用できます。ただし、粘度の高い液体や非ニュートン流体では、実際の損失が異なる場合があります。