終端速度とは?
終端速度とは、物体を下向きに引っ張る重力と、空気(または液体)から受ける抵抗力(抗力)がちょうど釣り合ったときに到達する一定の落下速度のことです。物体まわりの流れが乱流となり、抗力が速度の二乗に比例する「ニュートン域」では、この釣り合いから沈降速度を求めるシンプルな閉形式の解が得られます。本ツールは特定の用途に限定されず、一貫したSI単位で入力すればあらゆる物体に適用できます。
計算ツールの使い方
物体の質量(kg)、その場所での重力加速度(地球上では 9.81 m/s²)、周囲の流体の密度(海面付近の空気で約 1.225 kg/m³、水で 1000 kg/m³)、前面投影面積(m²)、抗力係数 \(C_d\)(球でおよそ 0.47、平板でおよそ 1.0)を入力してください。計算結果は m/s と km/h の両方で表示されます。
計算式の解説
終端速度に達した状態では、抗力 \(\frac{1}{2}\rho v^2 A C_d\) が重量 \(mg\) と等しくなります。これを \(v\) について解くと、 $$v = \sqrt{\frac{2\,\text{Mass} \cdot \text{Gravity}}{\text{Density } \rho \cdot \text{Area } A \cdot \text{Drag } C_d}}$$ が得られます。質量が大きく重い物体ほど速く落下し、流体の密度が高い・前面投影面積が大きい・抗力係数が大きいほど、物体の落下は遅くなります。
計算例
質量 0.145 kg、前面投影面積 0.0042 m²、\(C_d = 0.47\) の野球ボールが、空気中(\(\rho = 1.225\) kg/m³、\(g = 9.81\) m/s²)を落下する場合を考えます。分母は \(\rho A C_d = 1.225 \times 0.0042 \times 0.47 \approx 0.002418\) となります。これを用いると、 $$v = \sqrt{\frac{2 \times 0.145 \times 9.81}{0.002418}} \approx \sqrt{1176.6} \approx 34.3 \text{ m/s}$$ (約 123 km/h)です。
よくある質問(FAQ)
液体中の微小な粒子にも使えますか? ニュートン域の式は、レイノルズ数が高い場合(おおむね 1000〜200,000)に適用できます。非常に小さく、ゆっくり動く粒子の場合は、代わりにストークスの法則を使ってください。
抗力係数はどの値を使えばよいですか? 滑らかな球で約 0.47、流線形の物体で約 0.04、流れに正対した平板で約 1.0〜1.28 です。対象の形状に合った値を選んでください。
なぜ速度を2つの単位で表示するのですか? m/s はSI単位での結果です。km/h は直感的に比べやすいように併記しています(m/s に 3.6 を掛けると km/h になります)。