タービン容量計算ツールとは?
このツールは、狙った馬力を発生させるためにタービンが流す必要のある空気量(1分あたりのポンド数:lb/min)を概算します。タービンのコンプレッサーマップは横軸がエアフロー(lb/min)で表示されるため、必要なエアフローを把握することが、効率の良い動作領域に収まるタービンを選ぶ第一歩となります。これを誤ると、容量不足で「息切れ」したり、逆に大きすぎてサージング(脈動)を起こしたりする原因になります。
使い方
目標とするクランク馬力、正味燃料消費率(BSFC)、目標空燃比(AFR)を入力してください。現代の過給ガソリンエンジンでは、BSFCはおおむね0.50〜0.60 lb/hp/hr、パワー空燃比は11.5:1前後が一般的です。算出されるのはエアフロー(lb/min)で、この値をコンプレッサーマップと照らし合わせて、適切なフレームサイズのタービンを選定します。
計算式の解説
燃料流量は「馬力 × BSFC」で、1時間あたりの燃料ポンド数が求められます。これを60で割れば1分あたりの値になります。さらにこの燃料流量に空燃比を掛けると、その燃料を燃やすのに必要な空気量が得られます。式は次のとおりです:$$\text{エアフロー} = \frac{\text{馬力} \times \text{BSFC}}{60} \times \text{AFR}$$。CFM(容積流量)は、lb/minを空気の密度(約0.0807 lb/ft³)で割ることで概算できます。
計算例
目標400馬力、BSFC 0.55、AFR 11.5の場合:燃料流量 \( = \frac{400 \times 0.55}{60} = 3.667 \) lb/min。エアフロー \( = 3.667 \times 11.5 \approx 42.2 \) lb/min。このスペックでは、42 lb/min前後に余裕を持って対応できるタービンが好相性となります。
よくある質問
BSFCはどの値を使えばいい? 自然吸気(NA)エンジンならおよそ0.45〜0.50、過給ガソリンエンジンでは安全側の濃いめのセッティングを見込んで0.55〜0.60で計算するのが一般的です。
なぜAFRは11.5なの? 過給エンジンは全開時に燃焼温度を抑えるため燃料を濃いめにします。そのため最大出力時の空燃比は、理論空燃比の14.7よりかなり低い値になります。
クランク馬力とホイール馬力、どちらを入れる? 精度を高めるにはクランク(エンジン)馬力を使用してください。BSFCはエンジン自体の燃料消費を表す指標であり、駆動系のロスは含まないためです。