水馬力(WHP)とは?
水馬力(WHP:Water Horsepower)は「水動力」とも呼ばれ、ポンプシステムによって流体に実際に与えられる理論上の動力を表します。一定の流量を一定の高さまで持ち上げるために必要な「正味の出力」を示すものです。軸動力(ブレーキ馬力)とは異なり、WHPはポンプやモーターの損失を含まないため、ポンプ計算の中で常に最も小さい値となり、機器選定の基準となります。なお、この計算式はアメリカ式の単位系(米ガロン・フィートなど)を前提としている点にご注意ください。日本では通常SI単位(m³/min、mなど)が用いられるため、海外規格の機器やデータを扱う際の換算ツールとしてご活用ください。
このツールの使い方
次の3つの値を入力します。流量 Q(米ガロン毎分:gpm)、全揚程 H(フィート:ft)、そして液体の比重(SG)です。標準状態の水は SG = 1.0 ですが、塩水(ブライン)、油、スラリーなどはこれと異なります。「計算」をクリックすると、水馬力と、それに相当するワット(W)が表示されます。
計算式の解説
アメリカ式単位での標準式は $$\text{WHP} = \frac{\text{Flow }Q\text{ (gpm)} \times \text{Head }H\text{ (ft)} \times \text{SG}}{3960}$$ です。分母の3960は単位換算のための定数で、1馬力あたりの33,000 ft·lb/min を、水1ガロンあたりの重量8.33 lb で割った値です。揚程と流量を掛け合わせることで仕事率が求まり、比重を掛けることで水より重い・軽い流体に合わせて結果が調整されます。
計算例
あるポンプが、全揚程100 ftに対して水(SG = 1.0)を500 gpm送るとします。このとき $$\text{WHP} = \frac{500 \times 100 \times 1.0}{3960} = \frac{50{,}000}{3960} \approx 12.626 \text{ hp}$$ となります。軸動力(ブレーキ馬力)を求めるには、この値をポンプ効率で割ります(例:効率0.75 → 約16.8 bhp)。
よくある質問(FAQ)
これは水馬力ですか、それとも軸動力(ブレーキ馬力)ですか? 水馬力(水動力)、つまり理想的な出力です。軸動力を求めるには、ポンプ効率で割ってください。
どの単位系を使いますか? アメリカ式単位です。流量は米ガロン毎分(gpm)、揚程はフィート(ft)、比重は無次元で、定数3960を用います。
水以外を送る場合は? その流体の比重を入力してください。軽油は約0.85、海水は約1.025、濃縮塩水では1.2を超えることもあります。