トルク→馬力変換計算ツールとは?
このツールは、エンジンのトルク出力(ポンドフィート=lb-ftで表記)と回転数(RPM)を入力すると、馬力(hp)に換算できる計算機です。トルクと馬力は、エンジン性能の異なる側面を表しながらも密接に関係しています。トルクはエンジンが生み出す「ねじる力」であり、馬力はその仕事をこなす「速さ(仕事率)」を示します。ヤード・ポンド法(インペリアル単位)での定義上、両者は常に一定の定数で結び付けられています。なお、lb-ftはアメリカなどで使われる単位で、日本ではトルクをN・m(ニュートンメートル)で表すのが一般的なため、入力前の単位確認をおすすめします。
使い方
エンジンのトルクをポンドフィート(lb-ft)で、そのトルクが計測された時点のエンジン回転数を毎分回転数(RPM)で入力します。「計算する」を押すと、その運転状態での馬力が表示されます。出力曲線(パワーカーブ)全体を描きたい場合は、ダイノ(シャシーダイナモ)の測定データから複数のRPMポイントとそれぞれのトルク値を用意し、繰り返し計算してください。
計算式の解説
関係式は $$\text{hp} = \frac{\text{トルク} \times \text{RPM}}{5252}$$ です。この5252という数字は、回転運動の力学を馬力に換算する過程から生まれます。1馬力は毎分33,000 lb-ftに相当し、この33,000を\(2\pi\)(1回転あたりのラジアン)で割るとおよそ5252になります。その結果として、ダイノのグラフ上ではトルク曲線と馬力曲線がちょうど5252 RPMで必ず交差するという面白い特徴があります。その回転数では掛け率がちょうど1になるためです。
計算例
たとえば、あるエンジンが5000 RPMで400 lb-ftのトルクを発生するとします。$$\text{馬力} = \frac{400 \times 5000}{5252} = \frac{2{,}000{,}000}{5252} \approx 380.81 \text{ hp}$$ つまりこのエンジンは5000 RPMでおよそ381馬力を発生していることになります。
よくある質問
なぜ5252なのですか? これはヤード・ポンド法における馬力の単位換算定数(\(33{,}000 \div 2\pi\))です。トルクをlb-ft、出力を機械的馬力(mechanical horsepower)で扱う場合にのみ当てはまります。
ニュートンメートル(N・m)でも使えますか? いいえ。まずN・mをlb-ftに換算してください(\(1 \text{ N}\cdot\text{m} \approx 0.7376 \text{ lb-ft}\))。あるいはメートル法(kW)の計算式をお使いください。
なぜトルクと馬力の曲線は5252 RPMで交差するのですか? 5252 RPMでは「\(\text{RPM} \div 5252\)」の項がちょうど1になり、その点で馬力の数値がトルクの数値と等しくなるためです。