NPSHa(有効吸込みヘッド)とは?
有効吸込みヘッド(NPSHa:Net Positive Suction Head available)とは、ポンプの吸込み口において液体の蒸気圧を上回って存在する絶対圧力エネルギーを、液柱の高さ(メートル)で表したものです。これはポンプそのものの性質ではなく、吸込み系(配管・タンク・配置)側の性質である点がポイントです。キャビテーションを防ぐには、NPSHaが常にポンプの必要吸込みヘッド(NPSHr)を安全余裕をもって上回っていなければなりません。本ツールはSI単位で計算し、あらゆる液体の送液システムに普遍的に適用できます。
使い方
まず液面における絶対圧力(Pa)を入力します。海面付近の開放タンクであれば約101325 Paです。続いて、送液温度における液体の蒸気圧(Pv)、液体の密度(rho)、重力加速度(g、通常9.81 m/s²)、静吸込みヘッド(hs。液面がポンプ中心線より上にある場合は正、吸込み揚程(液面が下)の場合は負)、そして吸込み配管内の摩擦損失と継手損失の合計(hf)を入力してください。ツールがNPSHaをメートル単位で算出します。
計算式の解説
$$\text{NPSH}_a = \frac{\text{P}_a - \text{P}_v}{\rho \cdot g} + \text{h}_s - \text{h}_f$$ 第1項は、蒸気圧を上回る正味の圧力を液柱の高さ(ヘッド)に換算したものです。これに静吸込みヘッドを加えることで設置高さの影響を反映し、摩擦損失を差し引くことで吸込み配管で消費されるエネルギーを考慮します。こうして得られる値が、羽根車入口(インペラアイ)での気化に対抗できる有効なヘッドとなります。
計算例
開放タンク内の20℃の水を例にとります。Pa = 101325 Pa、Pv = 2339 Pa、ρ = 998 kg/m³、g = 9.81 m/s²、hs = 2 m、hf = 1.5 m。圧力ヘッド = $$\frac{101325 - 2339}{998 \times 9.81} = \frac{98986}{9790.38} \approx 10.110 \text{ m}$$ よって $$\text{NPSH}_a = 10.110 + 2 - 1.5 \approx 10.610 \text{ m}$$ となります。
よくある質問
どの単位を使えばよいですか? SI単位を使用します。圧力はパスカル(Pa)、密度はkg/m³、重力加速度はm/s²、各ヘッドはメートルです。算出結果は液柱の高さ(メートル)で表されます。
吸込み揚程の場合、静ヘッドは負になりますか? はい。ポンプが液源(液面)より上にある場合、hsは負の数値として入力してください。
キャビテーションを防ぐにはどうすればよいですか? NPSHaがポンプのNPSHrを上回るようにします。一般的には0.5〜1 m以上の余裕を確保するのが目安です。