この計算ツールでできること
このツールは、ある元素の平均原子量と各同位体の正確な質量がわかっているとき、天然に存在する2種類の同位体の存在比(パーセント)を求めます。周期表に記載されている平均原子量は、各同位体の質量を「その同位体がどれだけ多く存在するか」で重み付けした加重平均です。この加重平均の式を変形することで、それぞれの相対的な存在比を逆算できます。
使い方
次の3つの値を入力してください。平均原子量(\(M_{\text{avg}}\))、同位体1の質量(\(m_1\))、同位体2の質量(\(m_2\))で、いずれも原子質量単位(amu)で表します。すると各同位体の存在比(%)が表示されます。2つの結果を足すと必ず100%になります。
計算式の解説
2種類の同位体の場合、平均原子量は
$$M_{\text{avg}} = x \cdot m_1 + (1 - x) \cdot m_2$$と表せます。ここで \(x\) は同位体1の割合です。これを \(x\) について解くと
$$x = \frac{M_{\text{avg}} - m_2}{m_1 - m_2}$$となります。同位体1の存在比は \(100x\)、同位体2の存在比は \(100(1 - x)\) です。
具体例:塩素(Cl)
塩素には2つの安定同位体があり、Cl-35(質量34.969 amu)と Cl-37(質量36.966 amu)で、平均原子量は35.453 amuです。これを式に当てはめると
$$x = \frac{35.453 - 36.966}{34.969 - 36.966} = \frac{-1.513}{-1.997} \approx 0.7576$$となります。したがって Cl-35 の存在比は約75.76%、Cl-37 の存在比は約24.24%となり、教科書の値とよく一致します。
よくある質問(FAQ)
3種類以上の同位体にも使えますか? いいえ。この計算ツールはちょうど2種類の同位体を前提としています。3種類以上になると未知数が増えるため、別の情報が追加で必要になります。
\(m_1\) と \(m_2\) の順番は関係ありますか? 「同位体1」として表示される結果は、\(m_1\) に入力した質量に対応します。2つの質量を入れ替えると、どちらの存在比が先に表示されるかが入れ替わるだけです。
単位は何を使えばよいですか? 3つの入力すべてに原子質量単位(amu)を一貫して使ってください。この式は質量の差の比なので、結果は無次元となり、パーセントで表示されます。