伝搬遅延とは?
伝搬遅延(プロパゲーションディレイ)とは、信号が銅線ケーブルや光ファイバー、あるいは自由空間といった物理媒体を通って、ある地点から別の地点へ伝わるのにかかる時間のことです。この遅延は、信号が進む距離と、その媒体内を信号がどれだけ速く移動するかによって決まります。後者は「速度係数(VF:Velocity Factor)」として表され、光速に対する割合(0〜1の値)で示されます。
このツールの使い方
距離をメートル単位で入力し、使用する媒体の速度係数を指定してください。代表的な速度係数の目安は、ソリッドポリエチレン同軸ケーブル(RG-6)で約0.66、フォーム誘電体で0.95〜0.99、ツイストペア銅線で約0.66〜0.70、真空または自由空間で1.0です。計算結果として、遅延時間をナノ秒・マイクロ秒で表示するほか、実際の信号速度も算出します。
計算式の解説
遅延時間は、距離を実際の信号速度で割った値になります。式で表すと $$t = \frac{\text{Distance (m)}}{\text{Velocity Factor} \times c}$$ となり、ここで \(c\) は光速(299,792,458 m/s)です。速度係数が小さいほど信号の伝搬は遅くなり、同じ距離でも遅延が大きくなります。
計算例
VF = 0.66 のケーブルを100m伝わる場合:信号速度 = \(0.66 \times 299{,}792{,}458 \approx 197{,}863{,}022 \text{ m/s}\) となります。遅延 = \(100 \div 197{,}863{,}022 \approx 5.054 \times 10^{-7}\) 秒 ≈ 505.4ナノ秒(0.5054µs)です。
よくある質問
速度係数とは何ですか? 媒体内を伝わる信号の速度を、真空中の光速で割った比率のことで、常に0から1の間の値になります。
なぜ VF = 1 で信号が最速になるのですか? 速度係数が1ということは、真空中と同じく信号が光速で伝わることを意味します。これが理論上もっとも遅延の少ない状態です。
ネットワークにおいて遅延は重要ですか? はい。伝搬遅延はレイテンシ(遅延)の一因となり、タイミング制御やクロック分配、長距離リンクの設計において非常に重要な要素です。