逆インフレ計算ツールとは?
逆インフレ計算ツールとは、時間の経過によるインフレの影響を踏まえて、現在の金額が過去にどれだけの価値を持っていたかを求める金融ツールです。今のお金が将来いくらの価値になるかを示す通常のインフレ計算ツールとは逆に、このツールは時間をさかのぼり、現在のお金が過去にいくらの価値だったのかを明らかにします。
こんなときに役立ちます
逆インフレ計算ツールは、次のような場面で活躍します。
- 過去の物価と現在の物価を比べ、購買力の変化を理解したいとき
- 過去の投資や資産が今のお金でいくらに相当するか、実質的な価値を分析したいとき
- 経済の調査や家計の見直しで、商品やサービスの本当のコストを時系列で評価したいとき
計算方法
逆インフレ計算では、お金の過去の価値を求めるために次の式を用います。
過去の価値を求めたあとは、次のように変化額や変化率も計算できます。
計算例
※以下の例ではアメリカドル($)を用いていますが、計算式は通貨を問わず日本円(円)など他の通貨でもそのまま使えます。
例1:10年前のお金の価値を計算する
年平均インフレ率を2.5%とした場合、今の100ドルは10年前にいくらの価値があったでしょうか?
| 入力項目 | 値 |
|---|---|
| 現在の価値 | $100 |
| インフレ率 | 2.5% |
| 年数 | 10 |
式に当てはめると:
$$\text{過去の価値} = \frac{\$100}{\left(1 + \frac{2.5}{100}\right)^{10}}$$ $$\text{過去の価値} = \frac{\$100}{(1.025)^{10}}$$ $$\text{過去の価値} = \frac{\$100}{1.280085}$$計算結果:
| 結果 | 値 |
|---|---|
| 過去の価値 | $78.12 |
| 変化額 | $21.88 |
| 変化率 | 28.01% |
つまり、10年前の78.12ドルは今の100ドルと同じ購買力を持っていたことになり、インフレによって28.01%価値が上昇したことを示しています。
例2:30年間の住宅価格を比較する
今40万ドルの住宅は、年平均インフレ率を3%とした場合、30年前ならいくらに相当したでしょうか?
| 入力項目 | 値 |
|---|---|
| 現在の価値 | $400,000 |
| インフレ率 | 3% |
| 年数 | 30 |
式に当てはめると:
$$\text{過去の価値} = \frac{\$400{,}000}{\left(1 + \frac{3}{100}\right)^{30}}$$ $$\text{過去の価値} = \frac{\$400{,}000}{(1.03)^{30}}$$ $$\text{過去の価値} = \frac{\$400{,}000}{2.427262}$$計算結果:
| 結果 | 値 |
|---|---|
| 過去の価値 | $164,794.29 |
| 変化額 | $235,205.71 |
| 変化率 | 142.73% |
つまり、今40万ドルの住宅は30年前ならおよそ16万4,794.29ドルで購入できたことになり、インフレによって価格が142.73%上昇したことを表しています。
逆インフレ計算に影響する要因
逆インフレ計算の精度は、いくつかの要因によって左右されます。
- 使用するインフレ率(全国平均か、特定地域の数値か)
- 時代によるインフレ算出方法の変化
- 商品やサービスのカテゴリーごとの個別の価格変動
- 景気後退や高インフレ期といった経済イベント
より正確に計算するには、対象とする地域や期間に合ったインフレデータを使うことをおすすめします。なお、インフレ率は国や地域によって大きく異なる点にご注意ください(たとえば日本の総務省CPIと米国のCPIでは数値が異なります)。