この計算機でできること
このツールは日本の住宅用太陽光発電を対象とし、FIT(固定価格買取制度)を前提とした収支をシミュレーションします。金額の入力は万円単位(1万円=10,000円)です。算出するのは投資回収期間、つまり太陽光発電による累積メリットが初期費用(実質負担額)を上回るまでの年数です。FIT(買取)期間が終了した後は、発電した電力をすべて自家消費する(それ以降は売電しない)という前提で計算しています。あくまで目安であり、買取価格やルールは年度によって変わります。
使い方
システムの購入価格と補助金額(いずれも万円)、年間発電量(kWh)、そのうち売電する分と自家消費する分の割合を入力します。さらに、売電単価(FIT価格)、自家消費単価(買わずに済む電気の小売価格)、FIT(買取)期間、シミュレーション全体の年数、年間の発電量の劣化率、必要に応じて定期的な修理設定を入力してください。計算機は1年ごとの収入から修理費を差し引いて累積利益を積み上げ、それが初めて0に達する時点を求めます。
計算式の解説
発電量は年々低下します:\(\text{gen}(t) = \text{年間発電量} \times (1 - d)^{t-1}\)(\(d = \text{劣化率\%} \div 100\))。FIT期間中は、売電するkWhに売電単価を掛け、自家消費するkWhに自家消費単価を掛けて評価します。FIT期間終了後は、すべての発電量を自家消費単価で評価します。年ごとの利益は次の式で表されます:
$$\text{Annual Profit}_t = G_t \left( s\cdot p_{sell} + (1-s)\cdot p_{self} \right) - R_t$$ここで
$$\left\{ \begin{aligned} \text{Net Cost} &= \left(\text{Price} - \text{Subsidy}\right)\times 10000 \\ G_t &= \text{Annual Gen}\left(1-\tfrac{\text{Degr.}}{100}\right)^{\text{age}} \\ s &= \dfrac{\text{Sell kWh}}{\text{Annual Gen}} \end{aligned} \right.$$累積利益は「実質負担額(購入価格 − 補助金を円に換算した額)」のマイナスからスタートし、毎年の利益を加算していきます。累積利益が初めて0以上になる年が回収完了の年で、その年内での到達タイミングを按分して小数点以下まで求めます。回収完了年は次のように求められます:
$$\text{Payback Year} = \min\Big\{\, T : \textstyle\sum_{t=1}^{T}\text{Profit}_t \ge \text{Net Cost} \,\Big\}$$
計算例
初期設定(費用200万円、年間5,000kWh、うち3,000kWhを26円で売電、自家消費24円、FIT10年、シミュレーション20年、劣化率1%、修理なし)の場合:実質負担額は\(2{,}000{,}000\)円です。FIT期間の1〜10年でおよそ\(1{,}204{,}787\)円となり、約\(795{,}213\)円が不足します。11年目以降の自家消費分でこの差が埋まり、18年目の途中で累積利益が0を超え、回収期間はおよそ\(17.6\)年になります。20年目の終了時点では累積でおよそ \(+242{,}492\)円となります。
よくある質問
もし元がとれなかったら? シミュレーション期間を通じて累積利益がマイナスのままの場合、結果には「シミュレーション期間内では回収できませんでした」と表示されます。
なぜ単価が2種類あるの? 売電分はFITの売電単価で収入になり、自家消費分は「払わずに済んだ」小売単価分の価値になります。多くの場合この2つは異なる金額です。
修理費はどう扱われる? 修理の間隔(年数)を設定すると、その間隔ごとの年に修理費が計上され、劣化回復の設定により以降のパネル性能が一部回復します。