このツールでできること
このツールは、電圧降下を抑えるという観点から、特定の負荷に対して必要な電線サイズ(AWG=アメリカ電線規格)を選定します。基準には米国でよく用いられるNEC(米国電気工事規程)の慣行を採用しており、分岐回路では電圧降下を最大3%程度に抑えることが推奨されています。14 AWGから4/0までの標準的な銅またはアルミ導体を一つずつ確認し、設定した許容値の範囲に電圧降下を収められる最小サイズを返します。なお、日本国内の電気工事は内線規程など別の基準に従うため、AWG規格はあくまで米国仕様向けである点にご注意ください。
使い方
まず「DC/単相」か「三相」を選びます。次に、系統電圧、負荷電流(A)、負荷までの片道距離(フィート)、そして許容できる電圧降下の割合(一般的には3%)を入力します。導体は銅かアルミを選択してください。計算ツールが推奨ゲージと、そのサイズでの実際の電圧降下を表示します。
計算式の解説
電圧降下は次の式で求めます:
$$V_{\text{降下}} = k \cdot L \cdot I \cdot R_{ft}$$電流は行きと帰りの両方を流れるため、単相とDCでは \(k = 2\) となります(距離が2倍になる)。三相では \(k = \sqrt{3} \approx 1.732\) を用います。\(L\) は片道の配線長、\(I\) は電流、\(R_{ft}\) は導体の1フィートあたりの抵抗です。アルミの抵抗は銅のおよそ1.61倍になります。
計算例
120 Vの単相回路で、20 Aの電流を銅線100 ftにわたって流し、許容値を3%(=3.6 Vまで)とします。12 AWG(R = 1.93 Ω/1000 ft = 0.00193 Ω/ft)の場合:
$$V_{\text{降下}} = 2 \times 100 \times 20 \times 0.00193 = 7.72\ \text{V}$$— これは高すぎます。8 AWG(0.000764 Ω/ft)なら:
$$2 \times 100 \times 20 \times 0.000764 = 3.056\ \text{V} \le 3.6\ \text{V}$$したがって8 AWGが選定されます(10 AWGでは4.84 Vとなり、やはり超過します)。
よくある質問
なぜ距離を2倍にするのですか? 電流は負荷へ向かって流れ、また戻ってくるため、電流が通過する導体の長さは片道距離の2倍になるからです。
許容電流(アンペア容量)も考慮すべきですか? はい。このツールは電圧降下のみを基準にサイズを決めます。導体がNECのアンペア容量やブレーカーの要件も満たしているか、必ず別途確認してください。
なぜアルミはより太いゲージが必要なのですか? アルミは単位断面積あたりの抵抗が大きいため、同じ電圧降下に抑えるにはより大きな断面積が必要になるからです。