高度別 気圧計算ツールとは?
このツールは、対流圏向けの標準大気モデルを使って、指定した高度での大気圧(気圧)を推定します。高く昇るほど頭上にある空気の量が減るため、気圧は下がっていきます。計算結果はヘクトパスカル(hPa、ミリバールと等価)、キロパスカル(kPa)、標準気圧(atm)の3つの単位で表示されます。
使い方
海面からの高度をメートル単位で、海面気圧 \(P_0\) を hPa 単位で入力します。標準的な海面気圧は 1013.25 hPa ですが、その地点で実際に観測された海面気圧を入力すれば、より正確な値が得られます。「計算」ボタンを押すと、その高度での気圧が表示されます。
計算式の解説
このモデルでは $$P = P_0 \left(1 - \frac{0.0065\,h}{288.15}\right)^{5.255}$$ という式を使います。ここで 0.0065 K/m は標準的な気温減率(高度が上がるにつれ気温が下がる割合)、288.15 K は標準的な海面温度です。指数 5.255 は重力、空気のモル質量、気体定数から導かれます。この式が有効なのは、おおよそ高度 11,000 m まで(対流圏内)です。
計算例
高度 1000 m、\(P_0 = 1013.25\) hPa の場合:かっこ内は \(1 - \left(0.0065 \times 1000 / 288.15\right) = 1 - 0.022557 = 0.977443\) となります。これを 5.255 乗すると約 0.88699 になり、$$1013.25 \times 0.88699 \approx 898.76 \text{ hPa}$$ つまり約 89.88 kPa が得られます。
気圧式で使用される定数
このCalculatorで使用される気圧式は、下部大気(対流圏)を一定の気温低減率を持つものとしてモデル化しています。高度 \(h\) (メートル単位)での気圧は:
$$P = P_0\left(1 - \frac{L\,h}{T_0}\right)^{5.255}$$以下の固定定数は国際標準大気(ISA)に由来し、式に組み込まれています。
| 記号 | 意味 | 値 |
|---|---|---|
| \(P_0\) | 標準海面気圧(デフォルト;独自の値を入力可能) | 1013.25 hPa |
| \(L\) | 気温低減率 | 0.0065 K/m |
| \(T_0\) | 標準海面気温 | 288.15 K (15 °C) |
| \(g\) | 標準重力加速度 | 9.80665 m/s² |
| \(M\) | 乾燥空気のモル質量 | 0.0289644 kg/mol |
| \(R\) | 普遍気体定数 | 8.31447 J/(mol·K) |
指数 5.255 の由来
指数は恣意的ではなく、無次元群 \(\frac{gM}{RL}\) です:
$$\frac{gM}{RL} = \frac{9.80665 \times 0.0289644}{8.31447 \times 0.0065} = 5.2558$$これを計算式で使用される 5.255 に丸めています。
有効範囲: この単一層形式は 0.0065 K/m の一定の気温低減率を仮定しており、対流圏内、約 11,000 m (気象圏界面の基部)までの範囲でのみ有効です。その高度以上では気温プロファイルが変わり、異なる層モデルを使用する必要があります。
よくある質問
なぜ高度が上がると気圧が下がるの? 頭上にある空気の柱が短く軽くなり、押し下げる重さが小さくなるためです。
hPa とは? ヘクトパスカルは気象分野で使われる SI 単位で、1 hPa は 1 ミリバールに等しくなります。日本の天気予報でも気圧は hPa で表されます。
どこでも正確に使えますか? この計算は標準大気を前提としています。実際の気温や気圧配置などの条件によって値は変わるため、できるだけ正確に求めたい場合はその地点の海面気圧を入力してください。