切削条件計算ツールとは?
切削条件計算ツールは、フライス加工・穴あけ・ルーター加工において最適な主軸回転数(RPM)と送り速度(1分あたりのインチ=IPM)を求めるための便利なツールです。プロの機械加工者からホビーユーザーまで、適切な数値を選ぶことで工具を保護し、仕上げ面を向上させ、刃を折ったり材料を焦がしたりすることなく材料除去率を最大化できます。本ツールは、アメリカで一般的なインチ単位(インチ/SFM)の加工計算式を採用しています。日本でよく使われるメートル法(m/min・mm)とは単位系が異なる点にご注意ください。
使い方
次の4つの値を入力します。加工する材料に推奨される切削速度(SFM:1分あたりの表面フィート)、切削工具の直径(インチ)、刃1枚あたりのチップロード(インチ)、そして工具の刃数(切れ刃の数)です。入力すると、主軸回転数(RPM)とテーブル送り速度(IPM)が表示されます。SFMやチップロードの値は、工具メーカーや材料供給元が公開している切削データ表から確認してください。
計算式の解説
主軸回転数は次の式で求めます:
$$\text{RPM} = \frac{12 \times \text{SFM}}{\pi \times \text{D}}$$SFMは工具外周における切れ刃の移動速度を表し、係数12はフィートをインチに換算して工具径\(D\)(インチ)と単位を揃えるためのものです。送り速度はそれに続けて次の式で算出します:
$$\text{送り速度} = \text{RPM} \times \text{チップロード} \times \text{刃数}$$各刃が1回転につき1つの切りくずを除去するため、送り速度は刃数と主軸回転数の両方に比例して大きくなります。
計算例
例えば、直径0.5インチ・2枚刃のエンドミルを使い、100 SFM、チップロード0.002インチでアルミを切削する場合を考えます。
$$\text{RPM} = \frac{12 \times 100}{\pi \times 0.5} = \frac{1200}{1.5708} \approx 763.94 \text{ RPM}$$$$\text{送り速度} = 763.94 \times 0.002 \times 2 \approx 3.056 \text{ IPM}$$したがって、おおよそ764 RPM、送り速度3.06 IPMでプログラムすればよいことになります。
よくある質問(FAQ)
SFMとは? SFM(Surface Feet per Minute=1分あたりの表面フィート)は切れ刃が移動する速さを表します。材料によって異なり、切削データ表に記載されています。
チップロードとは? チップロードは、1回転につき各刃が除去する材料の厚さです。小さすぎると刃が材料をこすって発熱を招き、大きすぎると工具に過負荷がかかります。
メートル法でも使えますか? 本ツールはインチ単位(SFM・インチ)で計算します。メートル法の場合は、表面速度(m/min)と直径(mm)を用いて対応する計算式 \(\text{RPM} = \frac{1000 \times V_c}{\pi \times D}\) に換算してください。