この計算ツールでできること
このツールは、化学反応の平衡定数Kと絶対温度Tから、標準ギブズ自由エネルギー変化(ΔG°)を計算します。\(\Delta G^{\circ} = -RT \ln K\)という関係式は、熱力学と化学平衡を結びつけるもので、標準状態でその反応が自発的に進むかどうかを教えてくれます。ΔG°が負(K > 1)であれば生成物側に偏った反応、ΔG°が正(K < 1)であれば反応物側に偏った反応であることを示します。
使い方
無次元の平衡定数K(0より大きい値)と、ケルビン(K)単位の温度を入力してください。25 °Cの場合は298.15 Kを使います。計算結果として、ΔG°をkJ/mol(メインの値)とJ/molの両方で表示し、さらに途中計算を確認できるよう\(\ln(K)\)の値も合わせて出力します。
計算式の解説
用いる式は次のとおりです。
$$\Delta G^{\circ} = -R\,T \ln K$$ここで\(R = 8.314462618\ \text{J/(mol}\cdot\text{K)}\)は気体定数、\(T\)はケルビン単位の絶対温度、\(K\)は平衡定数を表します。\(\ln K\)は無次元で、\(RT\)がJ/molの単位を持つため、ΔG°はジュール毎モル(J/mol)として求まります。これを1000で割るとkJ/molに換算できます。
計算例
\(T = 298.15\ \text{K}\)で\(K = 1000\)の場合を考えてみましょう。このとき\(\ln(1000) \approx 6.907755\)となります。したがって
$$\Delta G^{\circ} = -(8.314462618)(298.15)(6.907755) \approx -17{,}123\ \text{J/mol} \approx -17.12\ \text{kJ/mol}$$大きな正のKと負のΔG°は、この反応が生成物側へ強く偏って進むことを示しています。
よくある質問
なぜ温度はケルビンで入力する必要があるのですか? 熱力学の方程式では絶対温度を用いる必要があるためです。摂氏(℃)をケルビンに変換するには273.15を加えます。
Kが1のときはどうなりますか? \(\ln(1) = 0\)なので、\(\Delta G^{\circ} = 0\)となります。これは標準状態でちょうど平衡にあり、反応を進める正味の駆動力がない状態を意味します。
Kは負やゼロになることはありますか? いいえ、ありません。濃度や分圧は常に正の値であるため、平衡定数も常に正です。したがって\(K \le 0\)では\(\ln K\)は定義できません。