中和計算ツールとは?
このツールは、等量関係の式 \(\text{M}_a \cdot \text{V}_a \cdot \text{n}_a = \text{M}_b \cdot \text{V}_b \cdot \text{n}_b\) を使って、酸と塩基の中和・滴定の問題を解きます。当量点では、酸が供給する水素イオン(H⁺)のモル数と、塩基が供給する水酸化物イオン(OH⁻)のモル数がちょうど等しくなります。6つの値のうち5つを入力すれば、残りの濃度または体積を自動で算出します。国や地域を問わず使える、汎用的な化学ツールです。
使い方
わかっている酸と塩基のモル濃度(M)と体積(mL)を入力します。\(\text{n}_{acid}\) と \(\text{n}_{base}\) は、化学式単位あたりの反応に関わるプロトン(または水酸化物イオン)の数です。たとえば HCl は \(n=1\)、H₂SO₄ は \(n=2\)、Ca(OH)₂ は \(n=2\) となります。求めたい項目をプルダウンから選べば答えが表示されます。体積の単位は計算上打ち消し合うため、mL で入力すれば mL で結果が出ます。
計算式の解説
モル数=濃度×体積 なので、酸は \(\text{M}_a \cdot \text{V}_a\) モルを供給し、その1モルごとに \(\text{n}_a\) 個のプロトンを放出します。酸が出すプロトンのモル数と塩基が出す水酸化物イオンのモル数を等しいと置くと、等量の式が得られます。これを塩基の体積について変形すると次のようになります:$$\text{V}_b = \frac{\text{M}_a \cdot \text{V}_a \cdot \text{n}_a}{\text{M}_b \cdot \text{n}_b}$$
計算例
0.10 M の HCl を 25 mL 中和するには、0.10 M の NaOH が何 mL 必要でしょうか? ここでは両方とも \(n=1\) です。$$\text{V}_b = \frac{0.10 \times 25 \times 1}{0.10 \times 1} = 25 \text{ mL}$$となります。次に、0.10 M の H₂SO₄(\(n=2\))25 mL を 0.10 M の NaOH(\(n=1\))で中和してみましょう:$$\text{V}_b = \frac{0.10 \times 25 \times 2}{0.10 \times 1} = 50 \text{ mL}$$二価の酸はプロトンを2倍供給するため、必要量も2倍になります。
よくある質問
n とは何ですか? 化学式単位あたりの、酸では電離できる H⁺、塩基では OH⁻ の数のことです(価数や塩基度とも呼ばれます)。
必ず mL を使う必要がありますか? いいえ。酸と塩基で同じ単位を使えば、どの体積単位でも問題ありません。答えも同じ単位で出力されます。
pH は求められますか? いいえ。このツールは完全中和(当量点)に必要な体積や濃度を求めるものであり、中和後の pH は計算しません。