ピトー管 流速計算ツールとは?
ピトー管は、先端で受ける「よどみ圧(全圧)」と、流れを乱さない位置の「静圧」を比べることで、流体の流速を測定する計器です。この2つの圧力の差が動圧(ΔP)にあたります。本ツールは、この差圧と流体の密度を入力するだけで流速を計算し、m/s・km/h・mph の3つの単位で表示します。航空機の対気速度計、空調ダクト(HVAC)の風速測定、研究室の風洞実験など、幅広い場面で利用されている計算方法です。
使い方
まず、差圧 \(\Delta P\) をパスカル(Pa)単位で入力します。これは圧力センサーやマノメーターで読み取った値です。次に、流れている流体の密度 \(\rho\) を kg/m³ 単位で入力します。海面・15 ℃ の空気なら \(\rho \approx 1.225 \ \text{kg/m}^3\)、水なら \(\rho \approx 1000 \ \text{kg/m}^3\) が目安です。「計算」ボタンを押せば、流速がすぐに表示されます。
計算式の解説
この関係は、非圧縮性流れに対するベルヌーイの式から導かれます。動圧は \(\tfrac{1}{2}\rho v^2\) に等しいため、これを流速について解くと次のようになります。
$$v = \sqrt{\dfrac{2 \cdot \text{ΔP (Pa)}}{\text{ρ (kg/m³)}}}$$
ここで \(v\) は流速(m/s)、\(\Delta P\) は差圧(Pa)、\(\rho\) は流体密度(kg/m³)です。この式は、非圧縮性かつ低速の流れ(空気の場合はマッハ0.3未満)を前提としており、プローブによる損失は考慮していません。
計算例
例えば、空気中(\(\rho = 1.225 \ \text{kg/m}^3\))に置いたピトー管が差圧 500 Pa を示したとします。このとき $$v = \sqrt{\frac{2 \times 500}{1.225}} = \sqrt{816.33} \approx 28.57 \ \text{m/s}$$ となり、これは約 102.9 km/h、つまり 63.9 mph に相当します。
よくある質問(FAQ)
どの密度を使えばよいですか? 流れている流体の、実際の温度・圧力における密度を使います。空気の密度は高度や温度によって変化するため、正確な対気速度を求めるには補正した値を使ってください。
高速(圧縮性)の流れでも使えますか? いいえ。気体でおおむねマッハ0.3を超えると圧縮性の影響が無視できなくなり、圧縮性を考慮したピトー管の式が必要になります。
ΔP はどうやって求めますか? ΔP は、ピトー静圧系統の全圧ポートと静圧ポートの圧力差で、通常は差圧センサーで読み取ります。