密度高度とは?
密度高度(Density Altitude)とは、標準大気とは異なる気温を補正した気圧高度のこと。言い換えれば、実際の現地の空気密度と等しい密度になる高度を指します。航空機やエンジン、プロペラの性能を左右するのは高度計が示す高度ではなく、空気の「密度」です。標高の高い空港で気温が高い日には、空気が薄くなりすぎて、機体がまるで数千フィート高い場所にいるかのような挙動を示します。その結果、離陸滑走距離が伸び、上昇性能も低下してしまうのです。
このツールの使い方
標高(フィート)、現在の高度計規正値(水銀柱インチ=inHg)、そして外気温(OAT)を摂氏で入力してください。本ツールはまず標高と高度計規正値から気圧高度を求め、続いて気温補正を加えて密度高度を算出します。さらに、その気圧高度における標準大気(ISA)の気温も表示するため、現在の状態が標準条件からどれだけ離れているかをひと目で確認できます。
計算式の解説
気圧高度は、高度計規正値が標準値の 29.92 inHg を下回るごとに 1,000 ft を加算して求めます。\(\text{PA} = \text{標高} + \left(29.92 - \text{高度計規正値}\right)\times 1000\)。その高度における ISA 気温は、15 ℃から約 1.98 ℃/1,000 ft の気温減率を差し引いた値です。密度高度は「ISA より 1 度高くなるごとに実効高度が約 120 ft 上がる」という経験則を適用します。\(\text{DA} = \text{PA} + 120 \times \left(\text{OAT} - \text{ISA}\right)\)。
$$\text{DA} = \text{PA} + 120\left(\text{OAT} - \text{ISA}\right)$$$$\text{where}\quad \left\{ \begin{aligned} \text{PA} &= \text{Field Elev (ft)} + \left(29.92 - \text{Altimeter (inHg)}\right)\cdot 1000 \\ \text{ISA} &= 15 - 1.98\cdot \dfrac{\text{PA}}{1000} \end{aligned} \right.$$
計算例
標高 5,000 ft、高度計規正値が標準の 29.92 inHg の場合、気圧高度は 5,000 ft となります。5,000 ft における ISA 気温は \(15 - 1.98 \times 5 = 5.1\) ℃。外気温が 25 ℃のとき、$$\text{DA} = 5{,}000 + 120 \times \left(25 - 5.1\right) = 5{,}000 + 2{,}388 = 7{,}388 \text{ ft}$$ となり、空港の標高より約 2,400 ft も高い計算になります。
よくある質問(FAQ)
これは正確な値ですか? いいえ。これはパイロットが使う標準的な経験則による近似値で、性能計画には十分な精度がありますが、厳密な大気モデルではありません。
湿度は影響しますか? 湿度が高いと密度高度はわずかに上昇しますが、この簡易式では水分の影響を考慮していません。
密度高度が高いとなぜ問題なのですか? 空気が薄いと揚力・推力・エンジン出力が低下するため、離陸距離が伸び、上昇率が低下するからです。