一回換気量計算ツールとは?
一回換気量(\(V_T\))とは、一回の呼吸で肺に出入りする空気の量を指します。人工呼吸管理では、肺の大きさが体重ではなく身長に比例するため、医療者は実体重ではなく理想体重(IBW:Ideal Body Weight)を基準に一回換気量を設定します。本ツールはDevine(デバイン)の式を用いて身長と性別から理想体重を推定し、選択したmL/kgの目標値を掛け合わせることで、推奨される一回換気量をミリリットル単位で算出します。
使い方
患者さんの性別を選び、身長をインチ(inches)で入力し、目標とするmL/kgを選択してください。ARDS(急性呼吸窮迫症候群)における肺保護換気では、理想体重あたり4〜8mL/kg(多くは6mL/kg)が一般的に用いられ、通常の設定では最大8mL/kg程度まで使われることもあります。計算結果として、理想体重と算出された一回換気量の両方が表示されます。
計算式の解説
男性の理想体重(kg):
$$\text{IBW} = 50 + 2.3 \times (\text{身長インチ} - 60)$$女性の理想体重(kg):
$$\text{IBW} = 45.5 + 2.3 \times (\text{身長インチ} - 60)$$一回換気量:
$$V_T = \text{目標mL/kg} \times \text{理想体重}$$身長が60インチ(5フィート)を超えるごとに、1インチあたり2.3kgが加算されます。
計算例
身長70インチの男性患者を6mL/kgで人工呼吸管理する場合:
$$\text{理想体重} = 50 + 2.3 \times (70 - 60) = 50 + 23 = 73\,\text{kg}$$$$\text{一回換気量} = 6 \times 73 = \mathbf{438\,\text{mL}}$$となります。
よくある質問(FAQ)
なぜ実体重ではなく理想体重を使うのですか?
肺の容量は身長と相関するため、肥満の患者さんで実体重を用いると安全な一回換気量を過大に見積もってしまい、肺損傷のリスクが高まるからです。
mL/kgはどの値を使えばよいですか?
肺保護換気のプロトコルでは理想体重あたり6mL/kgが推奨され、4〜8mL/kgが通常の範囲です。必ず各施設のプロトコルと臨床的判断に従ってください。
これは医療機器ですか?
いいえ。本ツールは教育目的のものであり、臨床的評価や専門の医療判断に代わるものではありません。