電線管充填率計算ツールとは?
このツールは、米国の電気工事基準である「National Electrical Code(NEC、第9章 表1)」に基づいています。電線管(コンジット)の内部断面積に対して、収納する電線がどれだけの割合を占めるかを算出し、その値をNECが定める充填率の上限と照合します。なお、日本の電気設備技術基準や内線規程とはルールが異なるため、本ツールはあくまで米国基準の工事を対象とした計算ツールである点にご注意ください。充填率を上限内に収めることで、過熱の防止、電線の引き入れ作業の容易化、絶縁被覆の損傷防止につながります。
使い方
まず、電線管の内部断面積(単位:平方インチ/in²)を入力します。この値は電線管の種類とサイズごとにNEC第9章 表4で確認できます。次に、電線1本あたりの断面積(NEC表5にAWGサイズと絶縁種別ごとに記載)を入力し、最後にそのサイズの電線を何本収納するかを入力します。本ツールは「電線1本の断面積×本数」を「電線管の内部断面積」で割り、充填率(%)と、NEC上限に対する合否判定を表示します。
計算式の解説
充填率(%)=(電線本数 × 1本あたりの断面積)÷ 電線管の内部断面積 × 100。
$$\text{Fill \%} = \frac{\text{Area per Wire} \times \text{Number of Wires}}{\text{Conduit Area}} \times 100\%$$許容上限は電線の本数によって変わり、1本の場合は53%、2本の場合は31%、3本以上の場合は40%です。本ツールでは、収納可能な電線断面積の上限と、残りの使用可能面積も併せて表示します。
計算例
12 AWGのTHHN電線3本(各0.0133 in²)を、1/2インチのEMT(内部断面積0.304 in²)に収納する場合:電線断面積の合計=
$$3 \times 0.0133 = 0.0399 \text{ in}^2$$充填率=
$$\frac{0.0399}{0.304} \times 100 \approx 13.13\%$$3本の場合の上限は40%なので、この配線は基準内に十分収まっています。
よくある質問
なぜ1本の場合の上限は53%なのですか? NECでは単線(1本)の場合により高い充填率を認めています。引き入れの際に複数の電線が互いにすれ違うスペースを確保する必要がないためです。
どの断面積を入力すればよいですか? 電線管の内部断面積はNEC第9章 表4を、電線の断面積は表5を参照してください。いずれも種類・サイズと絶縁種別によって変わります。
このツールで基準書の確認を省略できますか? いいえ。あくまで計画段階の補助ツールです。最新版のNECおよび地域ごとの修正規定(local amendments)で必ず確認してください。