EPS(1株当たり利益)とは?
EPS(Earnings per Share/1株当たり利益)とは、企業が普通株式1株あたりどれだけの純利益を生み出しているかを示す指標です。ファンダメンタル分析でもっとも注目される数値のひとつで、1株あたりという共通の物差しによって、異なる企業同士や同じ企業の時系列での収益性を比較できます。本ツールでは、損益計算書でもっとも一般的に開示される基本的EPS(basic EPS)を計算します。なお、ここで扱う金額はドル建て(米国企業の開示を想定)ですが、計算式そのものは通貨を問わず同じで、日本企業のEPS算出にもそのまま応用できます。
この計算ツールの使い方
次の3つの値を入力してください。対象期間の当期純利益(net income)、宣言された優先株配当(preferred dividends)(普通株主には回らない部分のため差し引きます)、そして期間中の加重平均発行済株式数です。ツールは1株あたりの金額(ドル/株)に加えて、普通株主に帰属する利益も合わせて表示します。
計算式の解説
$$\text{EPS} = \frac{\text{Net Income} - \text{Preferred Dividends}}{\text{Weighted Avg. Shares}}$$優先株配当を差し引くのは、普通株主に帰属する利益だけを取り出すためです。また、期末時点の株式数ではなく加重平均の株式数を使うことで、期中に行われた新株発行や自社株買いの影響を反映でき、より実態に即した1株あたりの数値が得られます。
計算例
たとえば、ある企業が当期純利益100万ドル、優先株配当5万ドルを計上し、加重平均発行済普通株式数が50万株だったとします。この場合、$$\text{EPS} = \frac{1{,}000{,}000 - 50{,}000}{500{,}000} = \frac{950{,}000}{500{,}000} = 1.90$$1株あたり1.90ドルとなります。
よくある質問(FAQ)
基本的EPSと希薄化後EPSの違いは? 基本的EPSは現在発行されている株式のみを用いて計算します。一方、希薄化後EPSは、ストックオプションやワラント、転換証券などから生じる潜在株式も含めて計算します。本ツールが算出するのは基本的EPSです。
なぜ優先株配当を差し引くの? 優先株主は配当を受け取る優先権を持つため、その分の利益は普通株主には回りません。したがって分子から取り除く必要があります。
EPSは高ければ高いほど良い? EPSが高いほど1株あたりの収益力が高いことを一般に示しますが、適切に評価するには同業他社と比較したり、株価との関係(PER/株価収益率)も合わせて見ることが大切です。