この計算ツールでわかること
自宅の南側に建つ建物(南半球の場合は北側)が、直射日光をどれだけ遮るかを試算するツールです。指定した日付・緯度について、太陽が空を移動する様子を1分刻みで追い、建物の屋根のラインに太陽が隠れる時間帯を割り出します。そのうえで、窓が実際に受けられる「残りの日照時間」を算出します。計算の土台は天文学の普遍的な式なので、世界中どの緯度・経度でも利用できます。
使い方
まず緯度(北緯をプラス)、経度、UTCからのタイムゾーン差を入力します。続いて年間通算日(1月1日=1)を入れます。窓から南側建物までの水平距離と、測定点からの建物の高さ(窓台より高い分。必要なら窓台の高さを差し引いてください)を測って入力します。半幅を0にすれば「東西に無限に続く壁」として計算し、東西方向の長さの半分を入れれば、建物の端から差し込む光も考慮できます。経度・タイムゾーン・均時差により、視太陽時を地域の時計の時刻へ換算します。
計算式の解説
屋根を越えるために太陽が超えなければならない臨界高度は次の式で求まります。
$$\theta_c = \arctan\!\left(\frac{\text{高さ}}{\text{距離}}\right)$$太陽の高度は次のように表されます。
$$\sin(\alpha) = \sin(\phi)\,\sin(\delta) + \cos(\phi)\,\cos(\delta)\,\cos(H)$$ここで \(\delta\) は正弦近似による太陽赤緯、\(H\) は時角(正午から1時間あたり15度)です。ある1分間が「遮蔽」と数えられるのは、太陽が地平線より上にあり、かつ建物の方位角の範囲内にあり、なおかつ高度が \(\theta_c\) を下回っているときです。この分数を合計すると遮蔽時間となり、昼の長さから遮蔽時間を引いたものが残りの日照時間です。
計算例
緯度35度、通算81日目(赤緯0)、距離10m、高さ8m、無限の壁とします。
$$\theta_c = \arctan(0.8) = 38.66\text{度}$$太陽が屋根を越えて見えるのは視太陽時で約9時19分から14時41分までだけなので、遮蔽時間は約6.63時間、残りの日照は12時間のうち約5.37時間となります。
よくある質問
なぜ「窓より上の高さ」を使うのですか? 窓に影を落とすのは、自分の視線より上に出ている建物部分だけです。そのため、屋根の高さから窓台の高さを引いた値を使います。
南半球ではどうなりますか? 緯度をマイナスで入力してください。遮蔽物のある方位は北(赤道側)になりますが、計算式はそのまま成り立ちます。
表示される時刻は正確ですか? 経度と均時差の補正を含んでおり、一次近似として十分実用的な値が得られます。ただし大気差(屈折)、地形、サマータイムの切り替えは考慮していません。