地上から見渡せる距離の計算とは
砂浜や展望タワー、山頂などに立ったとき、地球が丸いために、遮るものがない平らな地表でも見渡せる範囲には限界があります。この計算機は、任意の目の高さから地平線までの見通し(直線視程)距離と、見渡すことのできる地表・海面の面積を求めます。地球はWGS-84の赤道半径 \(R = 6{,}378\,\text{km}\) の滑らかな球体として扱い、さらに標準的な大気差による約6%の補正を加えています。これは光がわずかに下向きに屈折することで、純粋な幾何計算よりも少し遠くまで見えるためです。
使い方
プルダウンから観測地点のプリセットを選ぶか、目の高さをメートル単位で直接入力してください。プリセットは子どもの目線(1m)から富士山頂(3,776m)まで用意されています。プリセットを選ぶと高さの欄が自動で入力されますが、後から自由に書き換えることもできます。計算結果には、地平線までの距離(キロメートル)と、見渡せる円形範囲の面積(平方キロメートル)が表示されます。
計算式の解説
視線が地表すれすれに接するとき、斜辺が \(R + h\)、もう一辺が \(R\) の直角三角形ができます。よって接線距離は $$d_{geom} = \sqrt{(R+h)^2 - R^2} = \sqrt{h^2 + 2Rh}$$ となります。これに1.06を掛けて6%の大気差補正を加えると、 $$D = 1.06 \cdot \sqrt{h_{km}^{2} + 2 R\, h_{km}}$$ が得られます。見渡せる範囲はこの \(D\) を半径とする円なので、面積は $$A = \pi\, D^{2}$$ です。すべての長さはキロメートルで計算するため、メートルで入力した高さは1000で割って換算します。 $$\left\{ \begin{aligned} h_{km} &= \dfrac{\text{Height }h\text{ (m)}}{1000} \\ R &= 6378.137\ \text{km} \end{aligned} \right.$$
計算例
東京スカイツリーの第2展望台(\(h = 450\,\text{m} = 0.450\,\text{km}\))の場合: $$d_{geom} = \sqrt{0.450^2 + 2 \times 6378.137 \times 0.450} = \sqrt{5740.53} = 75.77\,\text{km}$$ 大気差を考慮すると $$D = 1.06 \times 75.77 = 80.3\,\text{km}$$ となります。見渡せる面積は $$A = \pi \times 80.3^2 \approx 20{,}262\,\text{km}^2$$ です。
よくある質問
なぜ6%の補正を加えるのですか? 標準的な大気差は光を地球側へ屈折させるため、通常の条件下では地平線までの距離が約6%延びる効果があります。
見ている対象物の高さは考慮されますか? いいえ。この計算では観測者の高さのみを用います。遠くにある高い物体は、その物体自身の高さによる地平線距離が加わるため、より遠くからでも見ることができます。
面積は正確ですか? 面積は見渡せる範囲を半径 \(d\) の平らな円として計算しています。非常に高い場所では、実際の球冠の面積をわずかに過大評価しますが、日常的な視点であれば十分に正確です。