この計算ツールでできること
熱伝導率とは、材料がどれだけ熱を伝えやすいかを表す物性値です。分野や国によってさまざまな単位系で表記され、メートル法、SI単位、カロリー基準、ヤード・ポンド法(ヤード・ポンド系のインペリアル単位)などが使われます。このコンバーターは、7種類のいずれか1つの単位で入力された熱伝導率の値を、瞬時に7単位すべての等価な値に変換します。データシートや教科書の数値を、面倒な計算なしで比較できます。純粋な物理量の換算なので、どの国・地域でも結果はまったく同じです。
使い方
熱伝導率の値を入力し、その値が表されている単位をプルダウンから選択します。結果の表には、同じ物理量が W/(m・K)、kW/(m・K)、J/(cm・s・°)、kcal/(m・h・°)、cal/(cm・s・°)、BTU/(ft・h・°F)、BTU/(in・h・°F) の各単位で表示されます。SI単位であるワット毎メートル毎ケルビンの値は、表の最上部に強調表示されます。
計算式の解説
計算の考え方は「いったんSI単位に正規化してから、各単位へスケーリングする」というものです。まず入力値に対応するSI換算係数を掛けて、SI基本単位に変換します。係数は次のとおりです。W/(m・K)=1、kW/(m・K)=1000、J/(cm・s)=100、kcal/(m・h)=1.163、cal/(cm・s)=418.68、BTU/(ft・h・°F)=1.730735、BTU/(in・h・°F)=20.76882。次に、得られたSI値に各目的単位の「SIから戻す係数」(SI換算係数の逆数)を掛けて、表を埋めていきます。$$k_{\text{SI}} = \text{Conductivity} \times f \quad\left[\frac{\text{W}}{\text{m}\cdot\text{K}}\right]$$温度差については 1 K = 1 °C = 1.8 °F の関係が成り立つため、ここで効いてくるのは温度目盛りの「幅(スケール)」だけです。+32 や +273.15 といったオフセットは換算には関与しません。
計算例
値に 50、単位に kcal/(m・h・°C) を入力した場合を考えます。ステップ1:\(k_{\text{SI}} = 50 \times 1.163 = 58.15\) W/(m・K)。ステップ2:BTU/(ft・h・°F) = \(58.15 \times 0.577789 = 33.60\)、cal/(cm・s・°C) = \(58.15 \times 0.00238846 = 0.1389\)。したがって 50 kcal/(m・h・°C) は、およそ 58.15 W/(m・K) に相当します。
よくある質問
どのカロリーを使っていますか? 4.1868 J の国際蒸気表カロリー(IT カロリー)を採用しており、標準的な係数 0.859845 および 0.00238846 が得られます。熱化学カロリー(4.184 J)を用いると、値はわずかに異なります。
0 やマイナスの値も入力できますか? 0 はすべての単位で 0 に換算されます。負の値も数学的には換算されますが、実在する材料の物性としては物理的に意味を持ちません。
なぜインチあたりのBTU値はフィートあたりの値の12倍になるのですか? 1 フィート=12 インチであるため、同じ熱伝導率なら、長さ1インチあたりの熱流束は12倍大きくなるからです。