手取り(ネット)から額面(グロス)への給与換算ツール(ベトナム向け)
このツールは、ベトナムで働く労働者や企業の採用担当者向けに作られています。希望する手取り額(ネット)、つまり実際に受け取りたい金額から、額面給与(グロス)=雇用契約書に記載される、社会保険や個人所得税を差し引く前の総支給額へと換算できます。給与交渉の場面では、労使双方が「実際に手元に残る金額」を異なる前提で話していることが多いため、このツールは非常に役立ちます。なお、これはベトナムの保険料率・税制に基づく計算であり、日本の社会保険・所得税のルールとは異なる点にご注意ください。
入力項目について
- 希望する手取り額(ネット給与): 各種控除をすべて差し引いた後に、実際に受け取りたい金額です。
- 保険料の計算基準額: 「正規給与に基づく」(グロス給与を基準に算出)か、「その他」(一定の固定額を基準に算出)かを選択します。
- 扶養者の人数: 1人につき月額4,400,000ドンが控除されます。
- 地域区分(I~IV): 保険料算出の上限・下限となる地域別最低賃金に影響します(第I地域:4,960,000ドン、第II地域:4,410,000ドン、第III地域:3,860,000ドン、第IV地域:3,450,000ドン)。
計算式と仕組み
このツールは、ベトナムの法令に基づき、以下のステップで計算を行います。
$$\text{Net} = \text{Gross} - BH - Thue$$ $$\left\{ \begin{aligned} \text{Net} &= \text{Luong Net} \\ BH &= 10.5\% \times \text{Gross} \\ Thue &= f\!\left(\text{Gross} - BH - 11{,}000{,}000 - 4{,}400{,}000 \times \text{So phu thuoc}\right) \end{aligned} \right.$$- 強制加入の社会保険料(保険料計算基準額に対して):社会保険(BHXH)8% + 健康保険(BHYT)1.5% + 失業保険(BHTN)1% = 合計10.5%。
- 課税所得 = グロス給与 − 保険料 − 本人控除(11,000,000ドン)− 扶養控除(4,400,000ドン × 人数)。
- 個人所得税(TNCN)は、7段階(5%~35%)の累進税率が適用されます。
- 入力されるのは手取り(ネット)額のため、ツールは「グロス − 保険料 − 税金 = ネット」となるグロス給与を逆算して求めます。
計算例
手取り20,000,000ドンを希望、扶養者なし、第I地域、正規給与に基づいて保険料を算出するケースを考えます。仮にグロスを約23,000,000ドンとすると:
- 保険料 = \(23{,}000{,}000 \times 10.5\% = 2{,}415{,}000\) ドン
- 課税所得 = \(23{,}000{,}000 - 2{,}415{,}000 - 11{,}000{,}000 = 9{,}585{,}000\) ドン
- 個人所得税(第1・第2段階)\(\approx 718{,}750\) ドン
- 手取り \(\approx 23{,}000{,}000 - 2{,}415{,}000 - 718{,}750 \approx 19{,}866{,}250\) ドン
ツールは、手取り額がぴったり20,000,000ドンになるまでグロス給与を微調整して算出します。
よくある質問
家族控除(扶養控除)はいくらですか? 本人分が月額11,000,000ドン、扶養者1人につき月額4,400,000ドンです。
なぜ地域を選ぶ必要があるのですか? 地域別最低賃金が保険料算出の下限・上限を決定するため、差し引かれる保険料の金額に影響するからです。
グロス給与は会社が負担する総コストですか? いいえ。企業はグロス給与とは別に、保険料の事業主負担分(約21.5%)も支払っています。