尿アニオンギャップとは?
尿アニオンギャップ(UAG)は、正常アニオンギャップ性(高クロール性)代謝性アシドーシスの患者において、腎臓がアンモニウム(NH₄⁺)として酸を排泄する能力を評価するために用いられる計算値です。アンモニウムはクロールとともに排泄されるため、測定された陽イオン(ナトリウム・カリウム)に対して尿中クロールが相対的に上昇すると、ギャップは負の値となり、アンモニウム排泄が十分に行われていることを間接的に示します。
この計算ツールの使い方
随時尿(スポット尿)から得られた尿中ナトリウム(Na⁺)、カリウム(K⁺)、クロール(Cl⁻)の濃度を mEq/L 単位で入力してください。尿アニオンギャップが mEq/L 単位で即座に表示されます。本ツールは教育および臨床判断の補助を目的としたものであり、専門的な医学的判断に代わるものではありません。
計算式の解説
計算式は $$\text{UAG} = \text{Na}^{+} + \text{K}^{+} - \text{Cl}^{-}$$ とシンプルです。測定された陽イオン(ナトリウムとカリウム)を合計し、測定された陰イオン(クロール)を差し引きます。この「ギャップを埋める」未測定の陰イオンの大部分はアンモニウムです。UAG が負の場合はアンモニウム排泄が適切に高まっていることを示唆し(例:下痢などの消化管からの重炭酸喪失)、正の場合は腎臓のアンモニウム排泄障害を示唆します(例:尿細管性アシドーシス)。
計算例
たとえばスポット尿で Na⁺ = 40 mEq/L、K⁺ = 30 mEq/L、Cl⁻ = 60 mEq/L だったとします。このとき $$\text{UAG} = 40 + 30 - 60 = 10 \text{ mEq/L}$$ となります。ここで正の値が出た場合は、遠位尿細管性アシドーシスの評価を進めるきっかけになります。
よくある質問
尿アニオンギャップが負の場合は何を意味しますか? 負の UAG は尿中アンモニウム(およびそれに伴うクロール)の排泄が高いことを示し、下痢など腎臓以外が原因のアシドーシスでは通常、適切な反応です。
尿アニオンギャップが正の場合は何を意味しますか? 正の UAG は腎臓が十分なアンモニウムを排泄できていないことを示唆し、尿細管性アシドーシスを疑うきっかけとなります。
UAG はどんな状況でも信頼できますか? いいえ。尿中に未測定の陰イオン(ケトン体、馬尿酸、一部の薬剤など)が存在する場合、尿中ナトリウムが極端に低い場合、または循環血液量減少がある場合には、UAG は信頼できません。こうした状況では尿浸透圧ギャップ(urine osmolal gap)の使用が推奨されます。