この計算ツールでわかること
この風力発電エネルギー量計算ツールは、風車のローター(回転翼)を通過する風が持つ瞬間的な出力(パワー)を求めるものです。これは単位時間あたりのエネルギー、すなわち出力であり、ワット(W)・キロワット(kW)・仏馬力(PS)で表示されます。一定時間に蓄積された総エネルギー量ではない点にご注意ください。本ツールが算出するのは風が理論上もっているエネルギー量で、風車の効率や出力係数(パワー係数)はあえて考慮していません。そのため、得られる数値は理想的な上限値となります。
使い方
次の3つの値を入力してください。ローター直径 \(R\)(m:翼が描く円の直径全体)、空気密度 \(d\)(kg/m³:海面付近でおよそ1.2)、風速 \(v\)(m/s)です。いずれもSI単位で入力するため、単位換算は不要です。「計算」を押すと、風が持つエネルギー量がW・kW・PSで表示されます。
計算式の解説
ローターの受風面積は $$S = \frac{\pi R^{2}}{4}$$ で、ここでの \(R\) は直径(半径 \(r = R/2\))です。動いている空気の運動エネルギー流(出力)は $$E = \frac{1}{2} \cdot S \cdot d \cdot v^{3}$$ で求められます。出力は風速の3乗、ローター直径の2乗に比例する点が重要です。つまり風速が2倍になれば出力は8倍に、ローター直径が2倍になれば出力は4倍になります。
計算例
\(R = 8\) m、\(d = 1.2\) kg/m³、\(v = 5\) m/s の場合:$$S = \frac{\pi \times 8^{2}}{4} = 16\pi \approx 50.265 \ \text{m}^{2}$$ これより $$E = 0.5 \times 50.265 \times 1.2 \times 5^{3} = 0.5 \times 50.265 \times 1.2 \times 125 \approx 3769.9 \ \text{W} \approx 3.77 \ \text{kW} \approx 5.13 \ \text{PS}$$ となります。
よくある質問
これは風車が実際に発電する電力ですか? いいえ。これは風が持つ空気力学的なエネルギー量(生の出力)です。実際の発電量は「E × 出力係数 Cp × 機械・電気効率」で求められます。取り出せる割合にはベッツの限界があり、その上限は \(16/27 \approx 0.593\) です。一般的な風車では \(Cp \approx 0.35\text{〜}0.45\) 程度になります。
R は半径ですか、直径ですか? ここでの \(R\) はローターの直径(全体)です。計算では \(S = \pi R^{2}/4\) によって内部的に半径 \(R/2\) を求めています。
空気密度はどの値を使えばよいですか? 平地や海面付近ではおよそ 1.2 kg/m³(標準大気15℃では1.225)です。空気密度は標高・気温・湿度が上がると下がり、それに伴って利用できるエネルギー量も減少します。