この計算ツールでできること
このツールは、サンプルから得られた平均値(μ)と標準偏差(σ)をもとに、「真の値」がどの範囲に収まりやすいかを推定します。対象となる量が正規分布に従うと仮定し、左右対称の両側区間 \(\mu \pm z \cdot \sigma\) を算出します。ここで \(z\) は、選んだ信頼度に対応する標準正規分布の臨界値です。平均値と標準偏差は単なる数値として扱い、区間は入力した単位のまま返されます。
使い方
平均値、標準偏差(0以上)、そして信頼度をパーセントで入力します。信頼度は50<信頼度<100の範囲(一般的には95)で指定してください。ツールはパーセントを確率 \(p\) に変換し、臨界値 \(z = \Phi^{-1}\!\left(\frac{1+p}{2}\right)\) を求めて、下限と上限を返します。信頼度が100%のときは区間が無限に広がってしまうため、100未満に保つ必要があります。
計算式の解説
確率を \(p = \text{信頼度}/100\) とすると、両側の \(z\) 値は \(\frac{1+p}{2}\) における標準正規分布の分位点になります。95%なら \(\Phi^{-1}(0.975) \approx 1.95996\) なので、区間は \(\mu \pm 1.96\sigma\) です。覚えておくと便利な目安として、68.26%は \(\mu \pm 1\sigma\)、95.45%は \(\mu \pm 2\sigma\)、99.73%は \(\mu \pm 3\sigma\) に対応します。逆正規累積分布関数(逆CDF)は有理式による近似(Acklam法)にHalley法の補正を加えて計算しているため、数表を引く必要はありません。
計算例
平均値 = 100、標準偏差 = 5、信頼度 = 99% の場合:\(p = 0.99\)、\(z = \Phi^{-1}(0.995) \approx 2.57583\) となります。 $$\text{下限} = 100 - 2.57583 \cdot 5 = 87.121$$ $$\text{上限} = 100 + 12.879 = 112.879$$ 結果は「87.12 から 112.88 の間」と表示されます。
よくある質問
なぜ95%で1.645ではなく1.96を使うのですか? 左右対称の両側区間では、残りの5%を両側それぞれ2.5%ずつに分けるため、\(\Phi^{-1}(0.975) \approx 1.96\) となります。1.645は片側95%の分位点であり、両側の範囲には適しません。
t分布を使うべきではないですか? 小さなサンプルから \(\sigma\) を推定する場合は、サンプルサイズ \(n\) を用いた t分布(区間 \(\text{平均値} \pm t \cdot s/\sqrt{n}\))の方が適切です。このツールは \(\sigma\) をあらかじめ分かっている母集団の値として扱い、正規分布の \(z\) を使うため、\(n\) を必要としません。
標準偏差が0のときは? 区間は1点 [平均値, 平均値] に縮まります。