この計算ツールでできること
このツールは、母平均(母集団の平均値)を望みの精度で推定するために必要な観測数、すなわち標本サイズ(n)を算出します。入力するのは「どれくらいの確からしさで推定したいか(信頼水準)」「母集団の標準偏差の見積もり」「標本平均を真の平均にどこまで近づけたいか(誤差範囲)」の3つです。計算結果として、整数に切り上げた最小の標本サイズが表示されます。
使い方
まず信頼水準(90%・95%・99%)を選びます。次に母集団の標準偏差(\(\sigma\))を入力します。これは予備調査(パイロット調査)や過去の研究、あるいは妥当な見積もりから得られることが多い値です。続いて誤差範囲(\(E\))を入力します。これは推定値と真の平均との間で許容できる最大のずれを、\(\sigma\) と同じ単位で表したものです。表示される結果が、収集すべき被験者数または測定回数です。
公式の解説
公式は
$$n = \left\lceil \left( \frac{z \cdot \sigma}{E} \right)^{2} \right\rceil$$です。\(z\) はその信頼水準に対応する標準正規分布の臨界値、\(\sigma\) は母集団の標準偏差、\(E\) は誤差範囲を表します。標本数は端数を取れないため、\(n\) は常に次の整数へ切り上げます。誤差範囲を半分にすると必要な標本サイズが4倍になる点に注意してください。これは分母にある \(E\) が2乗されているためです。
計算例
信頼水準95%(\(z = 1.96\))、標準偏差 \(\sigma = 15\)、許容する誤差範囲 \(E = 2\) としましょう。このとき
$$n = \left( \frac{1.96 \times 15}{2} \right)^{2} = \left( \frac{29.4}{2} \right)^{2} = 14.7^{2} = 216.09$$となり、切り上げて 217 件の観測が必要になります。
よくある質問
標準偏差がわからない場合は? 予備調査や類似の過去研究から得られた見積もりを使いましょう。値の範囲しかわからない場合は、ざっくりとした目安として \(\sigma \approx \text{範囲} / 4\) を用いる方法があります。
なぜ切り上げるのですか? 切り捨ててしまうと精度が目標よりわずかに足りなくなるため、目標の誤差範囲を確実に満たすよう、常に切り上げるのが慣例です。
母集団のサイズは必要ですか? いいえ。この公式は母集団が大きい、または無限であることを前提としています。母集団が小さく有限の場合は「有限母集団修正」を適用すると、必要な標本サイズを減らすことができます。