この計算ツールでできること
地球上のどこでも使える、地学・物理の汎用ツールです。現在地の気温・気圧・標高と、目的地の標高を入力すると、標準大気モデルにもとづいて目的地で予想される気温と気圧を推定します。地球上のあらゆる場所に対応し、出発地より高い目的地でも低い目的地でも計算できます。
使い方
現在地の気温(°C または K を選択)、現在地の気圧(hPa・Pa・kPa・atm・mmHg)、現在地の標高(m・km・ft)を入力します。次に、お好みの単位で目的地の標高を入力してください。ツールは内部ですべてを SI 単位に換算し、気温減率と気圧公式を適用して、目的地の気温を °C(および K)で、目的地の気圧を選択した単位(および Pa)で表示します。
計算式の解説
対流圏では、気温は標準的な気温減率 \(L = 0.0065\ \text{K/m}\)(1000 m あたり 6.5 °C)で低下します。標高差 \(\Delta h = \text{目的地の標高} - \text{現在地の標高}\) とすると、目的地の気温は次で求められます。
$$T_1 = T_0 - L \times \Delta h$$ここで \(T_0\) はケルビンで表した現在地の気温です。
気圧は現在地を基準とした気圧公式に従います。
$$P_1 = P_0 \times \left(\frac{T_1}{T_0}\right)^{gM/(RL)}$$\(g = 9.80665\ \text{m/s}^2\)、\(M = 0.0289644\ \text{kg/mol}\)、\(R = 8.31447\ \text{J/(mol}\cdot\text{K)}\)、\(L = 0.0065\) を用いると、指数はおよそ \(5.25579\) になります。気圧比の計算には絶対温度(ケルビン)が必要なため、計算前に \(T_0\) をケルビンへ換算しています。
計算例
現在地:15 °C、1013.25 hPa、0 m。目的地:1000 m。このとき \(T_0 = 288.15\ \text{K}\)、\(P_0 = 101325\ \text{Pa}\)、\(\Delta h = 1000\ \text{m}\) となります。気温は \(T_1 = 288.15 - 6.5 = 281.65\ \text{K} = \textbf{8.5}\ \degree\text{C}\)。気圧比 \(281.65 / 288.15 = 0.977442\) を 5.25579 乗すると \(0.886993\) となり、\(P_1 = 101325 \times 0.886993 \approx 89875\ \text{Pa} = \textbf{898.75}\ \text{hPa}\) です。これらは標高 1 km における標準大気の値と一致します。
よくある質問
目的地のほうが標高が低くても使えますか? はい。\(\Delta h\) が負になると、公式のとおり気温は上がり、気圧も高くなります。
精度はどのくらいですか? これは対流圏(おおむね高度 11 km まで)で有効な標準大気にもとづく推定値です。湿度・局地的な天候・実際の気温減率の変動は考慮していないため、予報ではなく物理的な目安としてご利用ください。
なぜケルビンに換算するのですか? 気温減率の項は温度差なので °C でも K でも同じ値になりますが、気圧比 \(T_1/T_0\) は絶対温度(ケルビン)でなければ物理的に意味をなさないためです。