EBITDAとは?
EBITDA(イービットディーエー)は「Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization」の略で、利息・税金・減価償却費・のれん償却費を差し引く前の利益を指します。資本構成や税務戦略、会計処理の違いによって企業ごとに大きく変動する費用を除くことで、本業そのものの収益力を測る指標として広く使われています。
なお、EBITDAは国際的に用いられる財務指標であり、米国会計基準(US GAAP)や国際会計基準(IFRS)でも一般的です。日本基準(J-GAAP)で開示される財務諸表からも、営業利益に減価償却費とのれん償却費を足し戻すことで算出できます。
EBITDA計算ツールを使う場面
EBITDA計算ツールは、次のような場面で役立ちます。
- 財務・会計上の判断による影響を取り除き、本業の収益力を評価したいとき
- 資本構成や税務状況が異なる同業他社どうしを比較したいとき
- M&A(買収)や投資の検討にあたり、事業価値を見積もりたいとき
EBITDAの計算方法
EBITDAを求める基本の計算式は次のとおりです。
$$\text{EBITDA} = \text{営業利益} + \text{減価償却費} + \text{のれん償却費}$$各項目の内訳は以下のとおりです。
$$\text{営業利益} = \text{売上総利益} - \text{販管費(営業費用)}$$ $$\text{売上総利益} = \text{売上高} - \text{売上原価(COGS)}$$あわせて算出できる利益率は次のとおりです。
$$\text{売上総利益率(\%)} = (\text{売上総利益} \div \text{売上高}) \times 100$$ $$\text{営業利益率(\%)} = (\text{営業利益} \div \text{売上高}) \times 100$$ $$\text{EBITDAマージン(\%)} = (\text{EBITDA} \div \text{売上高}) \times 100$$計算例
例1:製造業の企業
以下の財務データを持つ製造業の企業について、EBITDAとEBITDAマージンを計算してみましょう。
| 財務項目 | 金額($) |
|---|---|
| 売上高 | 5,000,000 |
| 売上原価 | 3,000,000 |
| 販管費(営業費用) | 1,000,000 |
| 減価償却費 | 400,000 |
| のれん償却費 | 100,000 |
計算:
売上総利益 = 売上高 − 売上原価 = \(\$5,000,000 - \$3,000,000\) = $2,000,000
営業利益 = 売上総利益 − 販管費 = \(\$2,000,000 - \$1,000,000\) = $1,000,000
EBITDA = 営業利益 + 減価償却費 + のれん償却費 = \(\$1,000,000 + \$400,000 + \$100,000\) = $1,500,000
EBITDAマージン =(EBITDA ÷ 売上高)× 100 = \((\$1,500,000 \div \$5,000,000) \times 100\) = 30%
例2:テクノロジー企業
以下の財務情報を持つテクノロジー企業について、EBITDAと関連指標を計算してみましょう。
| 財務項目 | 金額($) |
|---|---|
| 売上高 | 10,000,000 |
| 売上原価 | 4,000,000 |
| 販管費(営業費用) | 3,500,000 |
| 減価償却費 | 800,000 |
| のれん償却費 | 1,200,000 |
計算:
売上総利益 = \(\$10,000,000 - \$4,000,000\) = $6,000,000
売上総利益率 = \((\$6,000,000 \div \$10,000,000) \times 100\) = 60%
営業利益 = \(\$6,000,000 - \$3,500,000\) = $2,500,000
営業利益率 = \((\$2,500,000 \div \$10,000,000) \times 100\) = 25%
EBITDA = \(\$2,500,000 + \$800,000 + \$1,200,000\) = $4,500,000
EBITDAマージン = \((\$4,500,000 \div \$10,000,000) \times 100\) = 45%
EBITDAマージンの目安
| EBITDAマージン | 評価の目安 |
|---|---|
| 10%未満 | 収益効率は低め(業種により異なる) |
| 10%〜20% | 平均的な収益効率 |
| 20%〜30% | 良好な収益効率 |
| 30%超 | 非常に優れた収益効率 |
注意:EBITDAの目安となる水準は業種によって大きく異なります。一般に、テクノロジーやソフトウェア業界は、小売業や製造業に比べてEBITDAマージンが高くなる傾向があります。