一次反応の半減期とは?
半減期(t½)とは、反応物の濃度が最初の半分まで減少するのにかかる時間のことです。一次反応の場合、この半減期は反応の進行中ずっと一定で、最初に反応物がどれだけあったかには関係なく、速度定数kだけで決まります。この性質のおかげで一次反応速度論はきわめて予測しやすく、放射性崩壊や多くの薬物の体内消失過程、さまざまな化学分解反応を説明できるのです。
この計算ツールの使い方
一次反応の速度定数kを毎秒の逆数(1/s)で入力すると、半減期が秒単位で表示されます。速度定数が他の単位(1/分、1/時)の場合は、それに対応する時間単位(分、時間)で半減期が求められます。単位をそろえてさえいれば公式は単位に依存しないからです。
公式の解説
積分形の一次反応速度式 \( \ln([A]/[A]_0) = -kt \) から出発し、\( [A] = \tfrac{1}{2}[A]_0 \) とおきます。これを解くと次のようになります。
$$t_{1/2} = \frac{\ln(2)}{k} = \frac{0.693}{k}$$
濃度を半分にするため、2の自然対数(≈ 0.693)が現れます。ここで初濃度が完全に消去される点に注目してください——これこそが一次反応を特徴づける性質です。
計算例
ある反応の速度定数が \( k = 0.0693\ 1/\text{s} \) だとします。このとき $$t_{1/2} = \frac{0.693}{0.0693} = 10\ \text{秒}$$ となります。つまり10秒ごとに残りの反応物が半分になり、100% → 50% → 25% → 12.5% …と減少していきます。
よくある質問
初濃度は一次反応の半減期に影響しますか? いいえ。ゼロ次反応や二次反応とは異なり、一次反応の半減期は出発濃度に左右されません。
0.693 はどこから来るのですか? これは \( \ln(2) \)、つまり2の自然対数です。濃度が50%減少する点を求めて速度式を解くときに現れます。
放射性崩壊にも使えますか? はい。放射性崩壊は一次反応であり、崩壊定数λがkの役割を果たすので、$$t_{1/2} = \frac{0.693}{\lambda}$$ となります。