ハーゲン・ポアズイユの圧力損失計算ツールとは?
このツールは、流体がまっすぐな円管内を層流で流れるときに生じる圧力損失(ΔP)を計算します。流体力学の基礎であるハーゲン・ポアズイユの式に基づいており、配管設計やマイクロ流路、油圧ライン、医療用チューブなどを扱うエンジニアに広く利用されています。本計算ツールはSI単位を採用しているため、世界中どこでもそのまま使える汎用的なものです。
使い方
次の4つの値を入力してください。流体の粘度(動粘度ではなく粘性係数)μ をパスカル秒(Pa·s)で、配管の長さ L をメートル(m)で、体積流量 Q を立方メートル毎秒(m³/s)で、そして管の内径 D をメートル(m)で入力します。計算結果として、圧力損失をパスカル・キロパスカル・バールの3単位で表示するほか、平均流速も算出します。これにより、その流れが本当に層流とみなせるかを確認できます。
計算式の解説
ハーゲン・ポアズイユの式は $$\Delta P = \frac{128 \cdot \mu \cdot L \cdot Q}{\pi \cdot D^{4}}$$ です。圧力損失は粘度・配管長・流量に比例して大きくなる一方、管径の4乗に反比例する点に注目してください。この強い依存性のため、管径をほんの少し細くするだけで、流れを維持するのに必要な圧力が一気に跳ね上がります。たとえば管径を半分にすると、圧力損失は16倍にもなります。
計算例
水(\(\mu = 0.001 \ \text{Pa}\cdot\text{s}\))が、長さ \(L = 10 \ \text{m}\)、内径 \(D = 0.02 \ \text{m}\) の管を \(Q = 0.0001 \ \text{m}^3/\text{s}\) で流れる場合:
$$\Delta P = \frac{128 \times 0.001 \times 10 \times 0.0001}{\pi \times 0.02^{4}} = \frac{0.000128}{\pi \times 1.6 \times 10^{-7}} \approx 254.6 \ \text{Pa}$$(約 0.255 kPa)となります。
よくある質問
この式が有効なのはどんなとき? 定常・層流・非圧縮性・ニュートン流体で、まっすぐな円管内を流れる場合に限られます(レイノルズ数が約2300未満)。乱流の場合はダルシー・ワイスバッハの式を使ってください。
継手や曲がりも考慮されますか? いいえ。本式は直管部分の摩擦損失のみを対象とします。エルボ・バルブ・入口などの局所損失は別途加算してください。
どの単位を使えばよいですか? 厳密にSI単位(Pa·s、m、m³/s、m)を用いると、圧力はパスカルで得られます。単位を混在させると正しい結果が得られません。