この計算ツールでできること
油圧シリンダーは、流体の圧力を直線運動の力に変換する機器です。本ツールでは、供給圧力とシリンダーの寸法から、シリンダーが発生する押し力(伸長時)と引き力(収縮時)を求めます。収縮側ではピストンロッドが受圧面積の一部を占めるため、同じ圧力でも引き力は必ず押し力より小さくなります。
使い方
まず単位系を選びます。bar&mm(メートル法・結果はニュートン)か、psi&inch(ヤード・ポンド法・結果はポンドフォース)のいずれかです。次に、作動圧力・ボア(ピストン)径・ロッド径を入力してください。ボア径は押し力を決定し、ロッド径はボア面積から差し引かれて、引き力を生み出す円環(アニュラス)面積を算出します。押し力だけを知りたい場合は、ロッド径を0のままにしておけば構いません。
計算式の解説
力は圧力と面積の積で求められます。すなわち$$F = P \times A$$です。ピストンは円形なので、その面積は\(A = \frac{\pi}{4} D^2\)となります。収縮(引き)行程では、有効面積はボア面積からロッドの断面積を引いたもの、\(A = \frac{\pi}{4}\left(D^2 - d^2\right)\)です。メートル法ではbar単位の圧力をN/mm²に換算し(1 bar=0.1 N/mm²)、mm²の面積と組み合わせることでニュートン単位の力が得られます。ヤード・ポンド法では、psi×in²がそのままポンドフォース単位の力になります。
計算例
圧力100 bar、ボア径50 mm、ロッド径25 mmのシリンダーで考えます。押し面積\(= \frac{\pi}{4}\left(50^2\right) = 1963.5 \text{ mm}^2\)。10 N/mm²(=100 bar)のとき、$$F_{push} = 19{,}635 \text{ N} \approx 19.6 \text{ kN}$$です。円環面積\(= \frac{\pi}{4}\left(50^2 - 25^2\right) = 1472.6 \text{ mm}^2\)なので、$$F_{pull} \approx 14{,}726 \text{ N}$$となります。
よくある質問
なぜ引き力は押し力より小さいのですか? 収縮時はロッドが圧力の作用する面積を減らすため、同じ圧力でも発生する力が小さくなります。
摩擦や効率は考慮されていますか? いいえ。これはあくまで理論上の力です。実際のシリンダーはシールの摩擦などにより、わずかに小さい力しか出せません(一般に効率90〜95%程度)。
ニュートンをkgfに換算するには? ニュートンの値を9.80665で割ります(例:\(19{,}635 \text{ N} \approx 2{,}002 \text{ kgf}\))。