材料除去率(MRR)とは?
材料除去率(Material Removal Rate:MRR)とは、フライス加工・旋削・研削などの切削加工において、単位時間あたりに除去される材料の体積のことです。加工能率を示す最も重要な指標のひとつで、MRRが大きいほど加工は速く進みます。ただしその分、主軸に必要な動力は増え、発熱も大きくなり、工具摩耗も進みやすくなります。MRRと工具寿命・仕上げ面品質のバランスをどう取るかが、効率的な加工計画の要となります。
この計算ツールの使い方
次の3つの値を入力してください。切込み深さ(\(a_p\):工具がワークに食い込む深さ、mm)、切込み幅(\(a_e\):径方向の切込み量・ピックフィード、mm)、そして送り速度(\(f\):工具が進む直線速度、mm/min)です。これらを掛け合わせて、MRRを毎分立方ミリメートル(mm³/min)で算出し、あわせて毎分立方センチメートル(cm³/min)への換算値も表示します。
計算式の解説
基本となる式は次のとおりです。
$$\text{MRR} = \text{切込み深さ} \times \text{切込み幅} \times \text{送り速度}$$
幾何学的に見ると、除去される切りくずの断面積は「深さ × 幅」(mm²)で表されます。この断面積に、工具が進む速さ(mm/min)を掛けると、1分間に削り取られる体積(mm³/min)が求められます。また 1 cm³ = 1000 mm³ なので、結果を1000で割れば cm³/min に換算できます。
計算例
たとえば、切込み深さ 2 mm、切込み幅 10 mm、送り速度 150 mm/min で正面フライス加工を行うとします。このときMRRは $$2 \times 10 \times 150 = 3{,}000 \ \text{mm}^3/\text{min}$$ となり、3 cm³/min に相当します。送りを2倍の 300 mm/min にすれば、MRRも2倍の 6,000 mm³/min になります(ただし機械と工具がその負荷に耐えられることが前提です)。
よくある質問
どの単位を使いますか? 深さと幅は mm、送り速度は mm/min で入力し、MRRは mm³/min(および cm³/min)で得られます。
MRRは高いほど良いのですか? 必ずしもそうとは限りません。MRRを上げすぎると、主軸への過負荷、過度な工具摩耗、びびり、仕上げ面の悪化などを招くおそれがあります。常に機械の能力(動力)と工具メーカーの推奨条件の範囲内で運用してください。
旋削にも使えますか? 使えます。旋削の場合は、1回転あたりの送りに主軸回転数(RPM)を掛けたものを実効送り速度として用いるか、切削速度をもとにしたMRRの式を使います。このシンプルな掛け算は、切りくずの断面積と送りが分かるどんな加工にも適用できます。