NNT(治療必要数)とは?
NNT(Number Needed to Treat:治療必要数)は、根拠に基づく医療(EBM)で用いられる臨床効果の重要な指標です。1人の患者に追加で利益(有害なアウトカムの回避)をもたらすために、対照ではなくその治療を何人の患者に行う必要があるかを示します。NNTが小さいほど治療効果は高く、NNTが1であれば、治療を受けた患者全員が利益を得ることを意味します。
この計算ツールの使い方
対照群イベント発生率(CER:対照群でアウトカムが発生した患者の割合)と、実験群イベント発生率(EER:治療群での割合)を入力します。いずれもパーセンテージで入力してください。計算ツールは、NNT・絶対リスク減少(ARR)・相対リスク減少(RRR)を算出します。
計算式の解説
絶対リスク減少(ARR)は、2つの発生率の単純な差です:\(\text{ARR} = \text{CER} - \text{EER}\)。NNTはARRの逆数で求めます:
$$\text{NNT} = \frac{1}{\left|\dfrac{\text{CER (\%)} - \text{EER (\%)}}{100}\right|}$$NNTは「患者の人数」を表すため、慣例として次の整数に切り上げます。相対リスク減少(RRR)は、同じ効果をベースラインリスクに対する割合として表したもので、\(\text{RRR} = (\text{CER} - \text{EER}) \div \text{CER}\) となります。
計算例
ある薬が、対照群で30%だったイベント発生率を、治療群で20%まで下げたとします。ARRは \(0.30 - 0.20 = 0.10\)(10%)です。NNTは \(1 \div 0.10 = 10\)。つまり、1件のイベントを防ぐには10人の患者を治療する必要があります。RRRは \(0.10 \div 0.30 = 33.3\%\) となります。
よくある質問(FAQ)
NNTはどのくらいなら「良い」値ですか? 対象となる疾患や、防げるアウトカムの重大さによって異なります。小さいほど望ましいですが、重篤なアウトカムを防げる場合はNNTが大きくても価値があることがあります。
なぜ切り上げるのですか? 患者を「小数」で治療することはできないため、少なくとも1件のイベントを確実に防げるよう、NNTは切り上げて表します。
EERがCERより大きい場合は? その場合、治療はかえってリスクを高めていることになり、その逆数は治療必要数の代わりに「有害必要数(NNH:Number Needed to Harm)」と呼ばれます。本ツールでは、効果の大きさを絶対差として扱います。