この計算機でできること
この計算機は、古代ギリシャのアルキメデスが用いた古典的な方法で、円周率π(π)を近似します。直径1の円では、円周の長さがちょうどπに等しくなります。この円にぴったり外接する正多角形の周の長さはπよりわずかに大きく、逆に円の内側に内接する正多角形の周の長さはπよりわずかに小さくなります。辺の数を繰り返し2倍にしていくと、外接・内接それぞれの周の長さが上下からπへと近づき、πを挟み込むようにして近似値が得られます。
使い方
まず出発点となる多角形を選びます。正方形(4角形)または正六角形(6角形)が選べます。次に辺数を倍にする回数 \(n\) を入力します。n回の繰り返し後、多角形の辺数は正方形から始めた場合は \(4\cdot 2^n\)、正六角形から始めた場合は \(6\cdot 2^n\) になります。さらに表示する桁数を指定します。上限と下限が計算機の精度の限界まで一致した時点で自動的に計算を打ち切るため、n に大きな値を入れても問題ありません。
計算式の解説
外接多角形の周の長さを \(a\)、内接多角形の周の長さを \(b\) とします。各ステップでは、まず前回の \(a\) と \(b\) の調和平均として $$a_{k+1} = \frac{2\,a_k\,b_k}{a_k + b_k}$$ を計算し、続いて新しい \(a\) と前回の \(b\) の幾何平均として $$b_{k+1} = \sqrt{a_{k+1}\,b_k}$$ を計算します。正方形から始める場合は $$a_0=4,\quad b_0=2\sqrt{2} \approx 2.8284271$$ 正六角形から始める場合は $$a_0=2\sqrt{3} \approx 3.4641016,\quad b_0=3$$ が初期値です。計算の各段階を通じて、つねに \(b < \pi < a\) が成り立ちます。
計算例
正方形から始める場合:\(a_0=4\)、\(b_0=2.82842712\)。1回目の繰り返しでは $$a_1=\frac{2\cdot 4\cdot 2.82842712}{6.82842712}=3.31370850$$ $$b_1=\sqrt{3.31370850\cdot 2.82842712}=3.06146746$$ となります。2回目では \(a_2 \approx 3.18259788\)、\(b_2 \approx 3.12144515\)。約25回ほど辺数を倍にすると、上下の幅が縮まり、倍精度演算でのπの値 \(3.141592653589793\) に収束します。
よくある質問
なぜ直径1の円を使うのですか? 直径を1にすると、円周の長さがちょうどπに等しくなるため、多角形の周の長さがそのままπの近似値になり、倍率の換算が不要になるからです。
なぜ n 回に達する前に計算が止まるのですか? 一般的な倍精度演算では、有効数字はおよそ15〜16桁です。\(a\) と \(b\) がこの精度の範囲で完全に一致してしまうと、それ以上繰り返しても結果は改善できないため、計算を早めに終了します。
正方形と正六角形、どちらが良いですか? どちらも最終的には同じ値に収束します。ただし正六角形のほうが最初からπに近い値から始まるため、同じ精度に達するまでの繰り返し回数がわずかに少なくて済みます。