SCFMからACFMへの変換とは?
SCFM(Standard Cubic Feet per Minute/標準立方フィート毎分)は、ある一定の基準条件下での風量を表すのに対し、ACFM(Actual Cubic Feet per Minute/実立方フィート毎分)は、システムが実際に稼働している圧力・温度における体積流量を表します。気体は圧力や温度の変化に応じて膨張・圧縮するため、同じ質量の空気でも、現場で占める体積は標準条件下とは異なります。この計算機は、定格値として与えられたSCFMを、コンプレッサー・ブロワー・集塵機・空調ダクトなどで実際に観測されるACFMへと換算します。なお、SCFM・ACFMはいずれもヤード・ポンド法(フィート・psi・華氏)に基づく米国系の単位であり、日本で一般的なm³/minとは体系が異なる点にご注意ください。
使い方
まず標準流量(SCFM)と、機器メーカーが採用している標準基準条件を入力します。一般的には14.696 psia・68°Fが用いられます。次に、稼働箇所での実際の圧力と実際の温度を入力してください。計算機は両方の温度を絶対温度であるランキン度(Rankine)に変換し、ACFMを算出します。
計算式の解説
換算式は $$\text{ACFM} = \text{SCFM} \times \frac{\text{P}_{std}}{\text{P}_{act}} \times \frac{\text{T}_{act} + 459.67}{\text{T}_{std} + 459.67}$$ です。実際の圧力が高いほど気体は圧縮されてACFMは小さくなり、逆に実際の温度が高いほど気体は膨張してACFMは大きくなります。温度をランキン度に変換する(\(T_{R} = T_{F} + 459.67\))のは、理想気体の法則が絶対温度を必要とするためです。
計算例
たとえば、14.696 psia・68°F(527.67°R)で定義された100 SCFMを、20 psia・100°F(559.67°R)の条件で稼働させる場合を考えます。すると $$\text{ACFM} = 100 \times \frac{14.696}{20} \times \frac{559.67}{527.67} = 100 \times 0.7348 \times 1.06064 = 77.94 \text{ ACFM}$$ となります。圧力上昇による空気の圧縮効果が、温度上昇による膨張効果を上回ったため、実風量は標準風量を下回る結果となりました。
よくある質問
どの標準条件を使えばよいですか? CAGI(米国圧縮空気・ガス協会)では14.696 psia・68°Fが一般的です。業界によっては60°Fや70°Fを用いる場合もあるため、必ずお使いの機器のデータシートに合わせてください。
なぜランキン度に変換するのですか? 気体の体積は絶対温度に依存します。華氏のまま計算すると比率が誤った値になるため、459.67を加えて絶対温度に変換します。
湿度は影響しますか? この計算機は乾燥空気を前提としています。水分を多く含む気流の場合、水蒸気分圧の影響で結果がわずかに変動することがあります。