蒸気圧降下とは?
不揮発性の溶質を溶媒に溶かすと、その溶液の蒸気圧は純粋な溶媒の蒸気圧よりも低くなります。この現象は束一的性質の一つであり、ラウールの法則で説明できます。蒸気圧の下がり幅 \(\Delta p\) は、溶けている溶質の物質の種類には関係なく、その「モル分率」だけで決まる点が大きな特徴です。圧力の単位(mmHg、atm、kPa、torr など)は計算をそのまま通り抜けるため、本ツールでは一貫した単位であればどれを使っても問題ありません。
このツールの使い方
溶質(溶けている物質)のモル数、溶媒のモル数、そして純溶媒の蒸気圧(\(\text{p}^{\circ}\))を入力してください。ツールが溶質のモル分率、蒸気圧降下 \(\Delta p\)、そして溶液の最終的な蒸気圧を自動で計算します。
計算式の解説
理想溶液の蒸気圧は \(p = x_{溶媒} \times \text{p}^{\circ}\) で表されます。モル分率の合計は 1 になるため、降下分は $$\Delta p = \text{p}^{\circ} - p = x_{溶質} \times \text{p}^{\circ}$$ となります。溶質のモル分率は \(x_{溶質} = \frac{n_{溶質}}{n_{溶質} + n_{溶媒}}\) で求められ、溶液の蒸気圧は \(p = \text{p}^{\circ} - \Delta p\) で計算できます。
計算例
不揮発性の溶質 0.5 mol を水 9.5 mol に溶かし、純水の蒸気圧が 760 mmHg だとします。合計のモル数は 10 なので、\(x_{溶質} = 0.5 / 10 = 0.05\) となります。したがって $$\Delta p = 0.05 \times 760 = 38 \ \text{mmHg}$$ 溶液の蒸気圧は \(760 - 38 = 722 \ \text{mmHg}\) になります。
よくある質問(FAQ)
溶質の種類は結果に影響しますか? 不揮発性の溶質を含む理想溶液では、関係するのはモル分率だけで、溶質の種類は影響しません。
溶質が電離する場合はどうなりますか? イオン性の溶質の場合は、ファントホッフ係数(\(i\))を実効モル数に掛けて、イオンへの電離を考慮します。
\(\text{p}^{\circ}\) の単位は何を使えばよいですか? どの圧力単位でも構いません。\(\Delta p\) と溶液の蒸気圧は、入力した単位と同じ単位で出力されます。