VPD(飽差)とは?
VPD(Vapor Pressure Deficit/飽差)とは、空気が実際に含んでいる水蒸気量と、完全に飽和した状態で含むことができる水蒸気量との差を表す指標です。単位はキロパスカル(kPa)。植物の蒸散スピードを直接左右するため、温室・室内栽培・グロウルーム(植物工場)の環境管理では、最も役立つ指標の一つとされています。VPDが高いと空気が乾燥しており、葉から急速に水分が奪われます。逆にVPDが低いと空気が湿っている状態で、蒸散が滞り、病害のリスクが高まります。
この計算ツールの使い方
現在の気温を摂氏(℃)で、相対湿度をパーセント(%)で入力してください。結果としてVPDがkPaで表示されるほか、飽和水蒸気圧(SVP)と実際の水蒸気圧(AVP)も同時に確認できるので、数値がどう導き出されたかが一目で分かります。多くの栽培者は、生育初期にはおおよそ0.4〜0.8 kPa、開花期には1.0〜1.5 kPaを目安にしますが、最適な範囲は作物によって異なります。
計算式の解説
まず、テテンスの式を使って飽和水蒸気圧を求めます。$$\text{SVP} = 0.6108 \times e^{\frac{17.27 \cdot T}{T + 237.3}}$$(Tは気温℃)。実際の水蒸気圧は単純に \(\text{SVP} \times \frac{\text{RH}}{100}\) です。そして、その差し引きがVPDになります。$$\text{VPD} = \text{SVP} \times \left(1 - \frac{\text{RH}}{100}\right)$$。なお、これは気温ベースのVPDです。葉面VPDを求めたい場合は、SVPの計算に葉温(多くの場合、気温より2〜3℃低い)を代入してください。
計算例
気温25℃、相対湿度50%の場合: $$\text{SVP} = 0.6108 \times e^{\frac{17.27 \times 25}{262.3}} = 0.6108 \times e^{1.6461} \approx 3.1690 \text{ kPa}$$ $$\text{VPD} = 3.1690 \times (1 - 0.50) \approx 1.585 \text{ kPa}$$ となり、実際の水蒸気圧は約1.585 kPaです。
よくある質問(FAQ)
VPDはどのくらいが理想ですか? 一般的には0.8〜1.2 kPaが、栄養成長期から開花期にかけての多くの植物に適しています。ただし、必ず栽培している作物ごとの推奨値を確認してください。
これは葉面VPDですか、それとも気温ベースのVPDですか? このツールは気温を使用しています。葉面VPDを求める場合は、気温の代わりに葉の表面温度を入力してください。
なぜkPaを使うのですか? キロパスカルは園芸分野で標準的に用いられる単位です。必要に応じて10を掛ければ、hPa/ミリバールに換算できます。