CO₂換算(CO₂e)とは?
温室効果ガスは種類によって熱を閉じ込める力(温室効果の強さ)が大きく異なります。これらを同じ物差しで比べるために科学者が用いるのが地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)です。これは、ある期間(通常は100年)にわたって、ガス1トンが二酸化炭素1トンと比べてどれだけの温暖化を引き起こすかを示した値です。各ガスの質量にそのGWPを掛けて合計すれば、全体のCO₂換算量(CO₂e)が求められます。CO₂eは、カーボンアカウンティングやカーボンフットプリント報告における共通の「通貨」として広く使われています。
この計算ツールの使い方
排出した各ガスの質量(キログラム単位)を入力してください。CO₂のGWPは定義上1です。初期設定のGWP係数は、IPCC第5次評価報告書(AR5)の100年値に準拠しており、メタン(CH₄)が約28、一酸化二窒素(N₂O)が約265となっています。HFC(ハイドロフルオロカーボン)はガスの種類によってGWPが大きく異なるため、使用している冷媒に合わせて値を調整してください(例:HFC-134a ≈ 1430)。計算結果として、合計CO₂eをキログラムおよびトンで表示するほか、各ガスごとの寄与量も確認できます。
計算式の解説
基本となる式はとてもシンプルで、$$\text{CO}_2\text{e} = \sum (\text{質量} \times \text{GWP})$$です。GWPは無次元の値で、CO₂を基準とした相対値であるため、GWPの高いガスはわずかな量でも全体を大きく左右することがあります。たとえばメタン1kg(GWP 28)は、CO₂ 28kg分と同じだけの温暖化効果をもたらします。
計算例
たとえば、CO₂を1,000kg、CH₄を10kg、N₂Oを2kg排出したとします。GWP係数28と265を使うと、\(\text{CO}_2 = 1{,}000\)、\(\text{CH}_4 = 10 \times 28 = 280\)、\(\text{N}_2\text{O} = 2 \times 265 = 530\)となります。合計は$$1{,}000 + 280 + 530 = 1{,}810 \ \text{kg CO}_2\text{e}$$、すなわち1.81トンCO₂eです。
よくある質問(FAQ)
どのGWP値を使えばよいですか? 現在のほとんどの排出量インベントリでは、IPCC AR5の100年値(CH₄=28、N₂O=265)が使われています。古い報告書ではAR4の値(CH₄=25、N₂O=298)が用いられている場合もあります。本ツールではフォーム内で係数を自由に上書きできます。
メタンのGWPが84とされているのはなぜですか? これは20年GWPの値で、短期的な温暖化効果をより重視したものです。国別報告などの標準としては、100年値(28)が用いられます。
バイオマス由来のCO₂は含めるべきですか? バイオマス(生物由来)のCO₂は別枠で報告されることが多くあります。お使いの報告基準で求められている排出源だけを含めてください。