熱平衡とは?
温度の異なる2つの物体や物質を、断熱された系の中で接触させると、熱は高温側から低温側へと移動し、やがて両者は同じ温度に落ち着きます。この共通の温度を熱平衡温度と呼びます。本ツールは、それぞれの物質の質量・比熱・初期温度から、この最終温度を求めるものです。物理や化学のカロリメトリー(熱量測定)で扱われる典型的な問題ですね。
使い方
2つの物質それぞれについて、質量・比熱(比熱容量)・初期温度を入力してください。単位はそろえることが大切です。たとえば質量をグラム(g)で入力するなら、比熱は J/g·°C を使います(水は約 4.186 J/g·°C)。計算結果には、熱平衡温度に加えて、各物質の熱容量と、得たり失ったりした熱量 \(Q\) が表示されます。\(Q\) がマイナスならその物質は熱を失って冷えたこと、プラスなら熱を得て温まったことを意味します。
計算式の解説
エネルギー保存の法則から、高温の物質が失った熱量は、低温の物質が得た熱量と等しくなります。つまり、\(m_1 c_1 (T_f - T_1) + m_2 c_2 (T_f - T_2) = 0\) が成り立ちます。これを最終温度 \(T_f\) について解くと、2つの温度を熱容量で重み付けした加重平均になります。
$$T_{final} = \frac{m_1 c_1 T_1 + m_2 c_2 T_2}{m_1 c_1 + m_2 c_2}$$
ここで \(m \cdot c\) の積が熱容量です。この値が大きい物質ほど、最終温度をその物質の初期温度の方へ強く引き寄せます。
計算例
80 °C の水 200 g と、20 °C の水 300 g を混ぜてみましょう(どちらも \(c = 4.186\) J/g·°C)。熱容量はそれぞれ 837.2 J/°C と 1255.8 J/°C です。$$T_{final} = \frac{837.2 \times 80 + 1255.8 \times 20}{837.2 + 1255.8} = \frac{66976 + 25116}{2093} = \frac{92092}{2093} \approx 44\ ^\circ\text{C}$$ となります。
よくある質問
熱の損失はないものとして計算しているの? はい。完全に断熱された系を想定しており、周囲や容器への熱の逃げはゼロとして扱っています。
ケルビン(K)でも使える? 使えます。計算式が加重平均なので、入力した温度の単位がそのまま結果の単位になります。ただし2つの温度の単位は必ずそろえてください。
異なる物質どうしでも計算できる? もちろんです。それぞれの物質の比熱を入力するだけです。たとえば金属(銅なら \(c \approx 0.385\))を水に投入する場合も、まったく同じ計算で求められます。